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公共の建設工事を直接請け負いたい場合に必要になる経営事項審査とは?

2019.11.25
分類:経営

国や地方公共団体が発注する公共事業を請け負いたいと考える場合、必ず受けておかなければならないのが「経営事項審査」です。

競争入札に参加しようとする建設業者の資格審査が行われますので、どのような内容なのか、対象となる工事などを確認しておきましょう。

経営事項審査で行われる審査

資格審査では、欠格要件に該当しないか審査を行った上で、客観的事項、そして発注者別評価による審査の結果を点数化し、順位と格付けが行われます。このうち、客観的事項に該当するのが経営事項審査です。

経営事項審査はどの発注機関が実施しても同じ結果にならなければならないので、特定の第三者が一定基準に基づき統一して審査を行ったほうが効率的に進めることができますし、審査そのものが建設業行政と関連しているため、建設業許可に係る許可行政庁が実施しています。

 

経営事項審査の対象となる公共工事

直接工事を請け負うために経営事項審査が必要とされる公共工事とは、次の発注者が発注する施設や工作物に関する建設工事です。また、工事1件の請負代金額が500万円以上、建築一式工事なら1,500万円以上のものが対象です。

・国

・地方公共団体

・法人税別表第一に掲げる公共法人

・上記に準ずるものとして国土交通省令で定める法人

ただし、次にあげる建設工事は対象外です。

・堤防の決壊や道路の埋没、電気設備故障、その他施設や工作物の破壊、埋没などにより、放置しておくと著しく被害が拡大する恐れがある応急の建設工事

・これ以外で経営事項審査を受けていない建設業者が直接請け負うことに緊急性を要する事情があるとして国土交通大臣が指定する建設工事

 

経営事項審査の基準日と有効期限に注意を

経営事項審査は、原則、申請する日の直前の決算日が審査基準日になります。そのため、申請の際にすでに新たな審査基準日を迎えていると、従前の審査基準日で審査を受けることはできなくなるので注意しましょう。

また、経営事項審査の有効期間は、結果通知書を受領している経営事項審査の審査基準日から17か月となっています。

公共工事の受注は、契約締結日の17か月前以降の決算日を基準日とした経営事項審査を受けて、結果通知書を交付してもらっていることが必要になります。

毎年公共工事を直接請け負いたい場合には、有効期間が切れないよう毎年決算後に経営事項審査を受けることが必要になります。決算終了後4か月以内を目安として経営事項審査を申請すればよいでしょう。