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元請から工事を請け負うために加入する協力会とは?

2020.02.09
分類:経営

建設業界で工事を請け負う際には施工協力会に加入しておいたほうがよいのか迷うこともあるでしょう。

単に協力会と呼ぶこともありますが、この協力回とはゼネコンという請負業態に付随したものであり、特定の元請ゼネコン、そしてその元請と継続して関係を続ける下請同士が親睦的に集まり始めたことがきっかけで会となっているようです。

もともとは親睦会のようなものが、現在ではゼネコンの現場施工において重要な役割を担う専門の集団となり、強い絆で結ばれているのです。

協力会は老舗と呼ばれる100 年を超える長い歴史や伝統をもつところもありますし、複数の協力会組織をもっているゼネコンもあります。

ゼネコンの協力会とは?

協力会は一定の継続した工事量がある元請ゼネコンに限られて発足されています。

ゼネコンが元請となる施工現場には、協力会だけでなく、関係するすべての取引企業が加入することとなる災害防止協議会との二重構造になっていることが一般的です。

さらに全国的なゼネコンであれば、支店単位で協力会が組織されることとなり、統括する全国連合会も設置されます。

5年以上の継続取引や、品質を一定水準確保すること、現場所長や購買部長、同業会員からの推薦があることなどの基準が設けられているようなので、簡単に加入できるわけではありません。

 

元請と下請を強く結びつけるものとして

この協力会といった中間組織は、建設業だけでなく製造業などでも見られます。

下請の事業者からすれば、協力会に属しておけば高い施工力と信用力をもっていることを証明できますし、仕事の情報も優先される形で入手できるようになるので、続けて仕事を受注しやすくなることがメリットです。

特定元請と専属的な関係を築くことは、下請の事業者にとって元請との結びつきを強くするものといえるでしょう。

 

現在は元請の専属になることは経営リスクに?

高度成長期の時代では、協力会組織の存在は元請にとってもメリットがあるものでした。

しかし、オイルショック以降の建設冬という時代には、必ず協力会に属する業者の面倒をみることができるとも言い切れない状態となり、その機能もスムーズなものではなくなったのです。

これは、バブルが崩壊した後の今日の供給過剰時代においても同じことがいえます。

市場環境の変化で、ゼネコンの中には信用不安をささやかれる企業が出てきたり、経営破綻という悲しい結果に終わる企業も出てきました。

元請1社だけをメインとして依存し続けることは、協力会として活動する業者にとって経営リスクにもなってしまいます。

このような結果から、協力会加入企業が1社の元請の専属となることは少なくなっているようです。