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建設工事の現場監督が把握しておきたい工事監理と工事監督の違い

2020.02.16
分類:総務

工事監理と工事監督、どちらも似た言葉なので同じ意味のように感じるかもしれませんが、どちらも一定規模以上の工事において違った業務を行っています。

そこで、工事監理と工事監督を担当するのはどのような方なのか、そしてどんな業務を行うことになるのか把握しておきましょう。

工事監理とは?

工事監理とは、行われている工事と設計図書を照合しながら、本当に設計図や仕様書のとおりに実施されているか確認することを業務とします。

建築基準法では、一定規模以上の建物を建てるとき建築士が工事監理者として設定されることが義務付けられています。

設計の意図を施工者に正しく伝え、材料の規格や種類、躯体や仕上げ、設備の工事が設計図とおりに行われているか、さらに工事完了の最終確認などを行います。

また、関係機関の検査における立ち合いや、工事監理報告書の作成・提出、引き渡しの立ち合いなども業務に含まれます。

 

工事監督とは?

現場監督や現場代理人、指導監督と呼ばれることもありますが、工事現場で指導や工程・安全管理など、様々な業務を行います。

主に工事を管理する責任者のことであり、施工会社から選ばれた方が現場の指示を行うことが多いといえるでしょう。

工程や品質、安全、人材、コストなど様々な管理業務を行いますが、工程管理では工程計画や施工順序の検討を行い、工事がどのように進行するのか記載した工程表を作成します。工程表に基づいてそれぞれの工程に必要な資材の発注を行い、作業を行う業者や作業員を手配するという形です。

そして実際に工事着工した後は、事故が起きないよう作業員の安全や人材管理を行うことも大切な業務となります。

工事期間中も設計図どおりに施工を進めることができるよう、作業員に対して指示を出し確認を行うことも品質管理業務に含まれます。設計者と作業員の間で作業の詳細な部分を確認・調整したり、材料費や人件費などのコストを管理したり、さらに近隣の住民に対する事前の説明なども業務に含まれます。

 

工事監理と工事監督それぞれの役割

工事監理は設計とおりに工事が施工されて品質が確保できているか確認する品質管理を業務とし、工事監督は現場責任者として品質管理はもちろん、工程や人材、安全、コストなど広い範囲での管理を行うことを業務とします。

どちらも作業員が安全に作業を行い、工事が正しく実施されるために欠かすことのできない存在といえるでしょう。