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建設工事を行う上で必須となる社会保険への加入!未加入だとどうなる?

2020.03.02
分類:総務

建設業は社会保険へ加入していない事業者が多いことが問題視され、建設業界に若い人材が集まりにくい要因となっていることもあり、対策を強化するに至っています。

公共工事の受注での社会保険に加入が厳格化されるなど、すでに様々な対策が講じられているところですが、あらためて社会保険未加入だとどのようなデメリットが発生するのか認識しておくようにしましょう。

建設業で社会保険未加入だとどうなる?

まず建設業では、常時使用する従業員が5人未満なら健康保険・厚生年金保険には加入しなくてもよいですが、従業員を1人でも雇用すれば労災保険と雇用保険には加入することが必要です。

すでに20158月から、公共工事の入札公告を伴う工事では元請業者が社会保険未加入業者と一次下請け契約を結ぶことは禁止されています。

この公共工事に入札するためには経営事項審査を受けなければなりませんが、社会保険未加入では減点の対象となるため入札に参加できなくなる可能性もあります。

 

なぜ社会保険未加入業者が増えた?

建設業界は独自の多重下請構造から、元請けから下請け、下請けから孫請けなど、ピラミッド型の請負契約になっています。

そのため労務管理が一元管理されていないことが、社会保険未加入業者を増やしてしまった原因ともいえるでしょう。

なお、どの企業にも属さず、単独で業者と直接契約を結び仕事を請け負う一人親方なども多く存在します。個人事業主である一人親方は国民年金と国民健康保険に加入することになります。国民健康保険だと保険料が高額になることが心配されがちですが、建設業では全国建設工事業国民健康保険組合(建設国保)という国民健康保険制度があり、一般的な国民健康保険よりも保険料は割安になることが多いことが特徴です。

 

従業員の健康を守るためにも必要

社会保険に加入していなければ、もし従業員が病気やケガで働けなくなったときに保障されることはありません。その上、公共工事の受注で一次下請け契約はできなくなり、入札に至るまでの過程でも不利です。

これに加え社会保険未加入の場合、作業員が工事現場に入場できないといった問題も発生してしまいます。

社会保険に加入義務があるのにも関わらず未加入であることが発覚した場合、過去にさかのぼって最大2年分の社会保険料を支払わなければならなくなる可能性があります。負担するのは建設業者だけでなく雇用されている従業員も同じですので、費用の負担を増やさないためにも適切な対応が望まれます。