建設業の年次有給休暇の計画的付与では、5日を超える部分について事前に付与日を決めて取得します。
従業員が年次有給休暇を取得しやすくなるため、福利厚生や労働環境が整備されるようになり、人材の定着率向上や人材獲得につながることが期待できるでしょう。
そこで、建設業の年次有給休暇の計画的付与について、メリットや未付与者への対応を解説していきます。
年次有給休暇の計画的付与とは、事前に有給休暇の取得日を指定しておき、取得するための制度です。
計画的付与の対象は、年次有給休暇のうち5日超える部分です。
たとえば年次有給休暇を20日間保有していれば、15日間までを計画的付与の対象とすることができます。
年次有給休暇の計画的付与のメリットとして、従業員が有給休暇を取りやすくなり、心身の疲労を回復しやすくなることが挙げられます。
賃金発生のもとで休むことができるため、安心して休暇を取得でき、出勤日に向けて気分を切り替えやすくなるでしょう。
建設業の年次有給休暇の計画的付与については、次の3つに注意しましょう。
・就業規則への明記に注意
・未付与者への対応に注意
・時季変更できない点に注意
それぞれの注意点を解説していきます。
年次有給休暇の計画的付与においては、労使間で合意した上で労使協定を締結し、就業規則に明記することが必要となります。
労使協定を結ぶ内容として、主に次に関する規定を設けておきましょう
・誰が計画的付与の対象か
・計画的付与の日数・方法・時季
・計画的付与の対象にならない場合の取り扱い
・付与時季の変更の取り扱い
年次有給休暇の計画的付与で対象となるのは年間5日間を除いた部分ですが、そもそもの有給休暇保有日数が少ない従業員については、計画的付与を活用した企業全体の長期連休への配慮が必要となります。
たとえば年末年始やお盆休み、飛び石連休などに計画的付与を活用して全体での長期連休にする場合です。
保有日数が不足している労働者についての対応は、別途検討することが求められます。
計画的付与で年次有給休暇日を設定する際、特段の事情がなければ後で変更はできません。
変更しなければならない事態の発生においては、労使協定に基づく所定手続などが必要です。