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建設工事や業界の共通用語である「人工(にんく)」とは?

2020.05.19
分類:総務

建築業界の用語で「人工(にんく)」という言葉が使われることがあります。これから建設業界で働こうとする方や、まだ働きだして間もない方などは馴染みのない言葉のため、意味がよくわからないこともあるようです。

そこで、もし質問されたときに的確にこたえることができるように、人工という言葉の意味をしっかり把握しておきましょう。

人工とは何をあらわす?

人工とは、1日仕事をしたときにかかる人件費をあらわします。職人の方への賃金を計算するときに用いる言葉だったのですが、現在は建設業界全体の共通用語となっています。

たとえば「1人工」という言葉があらわす意味は、1人が1日作業した場合の人件費です。「半人工」であれば1人が半日作業をした場合の人件費と考えます。

 

建築工事における人工の相場

人工は建設会社ごとに違いがありますが、国土交通省では労務単価を公表しており、建設業の職種別に単価の記載がありますので参考にしましょう。

20193月からの公共工事設計労務単価を参考にする場合には、

・普通作業員21,100

・特殊作業員24,200

・軽作業員15,100

・とび工27,000

・鉄筋工27,200

・塗装工27,900

となります。

労務単価は公共工事の工事費を積算するときに用いるものであり、労働者に対する賃金として支払いを拘束するものではありません。

また、時間外や休日、深夜労働などの割増賃金などの手当ては含まれていませんし、所定労働時間内8時間あたりの単価として表示されています。

労務単価は年ごとに変動するものなので、ずっと同じというわけでもありません。

 

人工の計算をするときには

人工を計算するなら、1人工が仮に3万円の場合において、実際の労働日数20日を示す20人工なら、60万円という計算になります。

もし半日で終わる仕事を示す0.5人工は15千円という計算なので20人工で30万円です。

 

労務単価は人工を決める際の参考に

建設業界の人工は、1日仕事をしたときの人件費をあらわします。建設会社ごとに異なるものですが、決め方に迷ったら目安として国土交通省の公表している労務単価を参考に決めるとよいでしょう。

必ず公表されている金額に合わせなければならないわけではありませんが、多くの建設会社などが参考に人工を決めることとなるため、職人の方に仕事を依頼するときもそれによる金額が出されると考えられます。

余りに安い金額で設定してしまうと、仕事を請けてもらえなくなる可能性もありますので相場として参考にするとよいでしょう。