建設工事を巡る紛争トラブルの原因で多いのは、契約書が作成されていないこと、もしくは契約書の内容が不十分であることです。
また、契約当初はしっかり契約書を作成していた場合でも、その後、工事に追加があった時や変更部分は口約束で済ませるなどで、工事代金が変更されていることなどでトラブルに発展することが多いようです。
そこで、建設工事を巡るトラブルを防ぐために、発注者と請負人、それぞれの立場ごとで、契約において注意しておきたいポイントを確認しておきましょう。
・請負業者、工事監理は許可を取得した信頼できる業者を選ぶこと
・基礎工事や地盤調査、資金計画はしっかり行うこと
・契約の際は契約書を読んで納得するまで印鑑は押さない
・無理な工期は設定しない
・追加工事は、工事金額とその内容、完成時期など当事者同士で合意のもと
・業者との約束は日付を記入し施工者の確認印や署名をもらって書面化しておく
・発注者とは円滑なコミュニケーションを図る
・契約書など作成内容を相手にしっかり説明する
・相手との約束には日付を記入し発注者の確認印または署名をもらい書面化しておく
・下請業者の選定や監督は元請の責任となるため、契約書などを明示し元請としての責任を果すこと(一括下請負や不当に低い請負代金の設定、不当な資材など購入を強制する行為は建設業法違反)
・下請負人は注文書などを請求すること
建設工事契約は口頭でも成立するものだとしても、契約書を作成しなければならないことに変わりはありません。
建設工事の請負業者は、注文書と請書を作成する、または契約書を作成することが必要となります。作成に違反した場合には、許可取り消しや営業停止処分といったことも考えられますので十分に注意してください。
元請けや下請けのどちらの立場であるなどは関係なく、どの建設業者でも守らなければなりません。
建設工事で請負契約を結ぶ場合、工事に着手する前に契約書の作成が必要ですので、実際に開始されてから書面化するのでは遅すぎます。
安易な考えで書面化していないと、一方だけが責任を負うことになる不利な契約内容で大きなトラブルに発展することもあります。いずれにしても決まりですので、必ず事前に契約書を作成しておくようにしてください。