建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設業の時間外労働の上限規制はいつから?どのような改正内容なのか

2020.12.09
分類:総務

従来とは異なり、法改正により勤務する労働者が働いてよい時間は上限規制されることになっています。

中小企業は20204月から、時間外労働の上限規制を守らなければならなくなっていますが、建設業など一部の業種には猶予期間が設けられています。

そこで、建設工事を担当する労働者の時間外労働はいつから制限されるのか、具体的にどのくらいの時間までなら可能なのかご説明します。

いつから時間外労働の上限規制がはじまる?

建設業界は長時間労働を強いられるイメージが強く、休日なども取りにくいという理由で人気がありません。

しかし、今後は時間外労働の上限を守ることが必要になるため、働く側としては安心できるはずです。

ただ、この上限規制はすでに開始されていますが、建設業などは5年という猶予期間が設けられており、20244月から施行されることになります。

 

なぜ建設業は猶予期間が設けられている?

建設会社などで時間外労働の多かった場合でも、20244月からは時間外労働の上限を守ることが必要です。他業種と異なり、建設業には5年という猶予期間が設けられているのは、そもそも労働時間が長時間である傾向が強いからといえます。

常態化している長時間労働に、休日の少なさなど、他の業種よりも労働時間が多いことが特徴です。

 

どれくらいの時間までなら労働が可能?

労働基準法による労働時間の上限は、18時間、1週間40時間が基本です。しかし建設業の場合、この時間を超えることが多く、労使間で36協定を結び時間外労働や休日労働を可能な状態にしています。

36協定が労使間で結ばれていれば、1週間15時間、1か月45時間、1360時間を上限として時間外労働が可能となるからです。

しかし建築物を完成させるまで時間がないという場合、この時間外労働の上限を守ることも難しいケースもあります。

そのように特別な事情がある場合には、特別条項付き36協定を締結することで、さらに上限を引き上げることが可能です。

ただし36協定の上限を超える労働は年間6回までとされており、特別条項付き36協定にも年720時間以内という上限は設けられているため無制限ではありません。

さらに単月なら休日労働を含め100時間未満、複数月平均は休日労働を含め80時間以内でなければならないということも注意が必要です。

上限規制を守らない場合には様々なペナルティが発生しますので、20244月ギリギリに対応するのではなく、すでに上限規制を守れる体制整備を行うことが望ましいでしょう。