建設工事現場で新しく働きだした社員をしっかりと教育したいけれど、何から始めればよいかわからないという場合もあるでしょう。
社内研修を実施したり外部研修を受けさせたり、教育体制を整備する上で何を選ぶべきか判断がつかないということもあります。
教育計画を立てていく上で、特に注意したいのが4月からの新卒の入社時期です。
そこで、建設工事現場で行う社員の教育体制をどのように整備していけばよいのかご説明します。
毎年、4月になれば新しく新卒採用された社員が入社することになります。
建設業の場合、中途採用なども多いため、新卒採用された若い世代だけでなく、年長の新人を教育しなければならないこともあるでしょう。
建設業界では、もともと手取り足取り教育するという考えはなく、目で見て技術を盗み手で覚えるという環境でした。
そのため、自分が十分に教育を受けていない状態で、ある日突然教育係を担当することになっても、どのように教えればよいかわからないという方も少なくありません。
ただ、今は人口減少で建設業界も人手不足が深刻な状況にある中、厳しい状況をつきつければ新人はやめてしまう可能性もあります。
さらに限られた人材であるため、短期間で組織に利益をもたらす人材へとしっかり教育することが必要であり、即戦力にならなければ指導力や監督力が不足していると指導者の評価を落とすことにもなりかねません。
建設業界に新卒として採用される人材は、工業高校を出たばかりの方もいれば、建築学科の大学院まで出ている方もいます。
そして社会人として3、4年目くらいの方が新卒として入社することもあるなど、年齢層は様々です。
いずれにしても、新人であることにかわりはないため、適切な教育体制を構築してしっかりと学んでもらうことが必要となるでしょう。
たとえば次のような研修のスケジュールが例として挙げられます。
・新入社員研修(入社時)…社会人としての自覚や規律の習得、会社と仕事への理解や連帯意識の醸成など
・フォローアップ研修(入社半年経過後など)…短期成⾧目標の設定やコミュニケーション能力を向上させる
・リーダー研修(入社6年経過後など)…チームリーダーとしてのスキル習得や自身のあるべき姿の明確化など
・マネジメント研修(入社12年経過後など)…マネジメントの原理原則の体系的理解など
・考課者研修(管理職就任の場合)…評価マネジメントへの基本理解と実践ポイントの習得
知らないことやわからないことがあっても、けっして恥ずかしいことではないと早い段階から自覚してもらうことも大切です。
建設業界の新人教育では、建設業は簡単な仕事ではないことを理解してもらい、責任と覚悟を伴う仕事と認識してもらうことが重要といえるでしょう。