建設工事は常に行われている印象ですが、冬期休暇などは取得できる状況なのでしょうか。
現在は働き方改革が重視されているため、中小企業が9割以上を占める建設業でも適切な労務管理が必要です。有給休暇を年5日間取得することは建設業界の中小企業にも必要ですので、働き方改革をどのように実施していくのか考えなければなりません。
ただ、労務管理を適切に行う上で、冬期休暇などを設ける時には注意しておきたいことがあるためその内容を把握しておきましょう。
働き方改革の時間外労働の上限規制は、大企業では2019年4月、中小企業でも2020年4月から施行されています。ただ、建設業の場合には2024年4月に施行となるため、それまでに準備をすることが必要です。
法律で定められている1日8時間及・1週40時間という法定労働時間を超えた労働は、労使間で36協定を締結することが必要となります。
36協定でも時間外労働を無制限に行うことができるわけではなく、月45時間・年360時間という上限が定められていますし、特別条項付きの36協定を結ぶことで上限を超える時間外労働も可能となります。
ただ今回の働き方改革では、労働時間の上限規制が罰則付きで規定されるようになりました。
その内容は、
①時間外労働は年720時間以内
②時間外労働と休日労働の合計は月100時間未満
③時間外労働と休日労働の合計は、2~6か月平均のいずれも1月あたり80時間以内
④時間外労働が月45時間を超えてもよいのは年6か月が限度
となっています。
しかし災害の復旧・復興については、上記の②と③は適用されません。
建設業は受注産業のため、直近の労働予定は決めることができても先の予定まで決めにくいことが特徴です。
さらに工事は屋外で行われるため、天候に左右されやすいなど施工期限が迫っていれば、のんきに休む暇はないという状態になってしまいます。
しかしそれでは労務管理を適切に行うことはできないため、まずは年間休日を確定させましょう。
建設業では所定休日を設けるケースで多いのは、
・日曜日
・年末年始(冬期休暇)
・お盆休み(夏期休暇)
・事業主が指定する日
などです。
休日と休暇は同じではなく、休日は労働義務のない日であるのに対し、労働義務はあるものの労働者の請求で労働義務が免除される日が休暇です。
そのため年間休暇を含む年間労働日は、365日から年間休日を差し引いた日数であり、そこからさらに年間休暇を差し引いた日数ではないことに注意してください。
冬期休暇などを設けない建設会社は少ないかもしれませんが、お盆3日間、年末年始5日間などを休日と休暇のどちらにするかによって、賃金の計算方法が変わってきます。