建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設現場などで発生しやすい損害のリスクの事例

2021.05.10
分類:総務

建設現場で事故が起きてしまったとき、会社は大きな損害を被る以外に、従業員などにケガを負わせたり生命にかかわる深刻な被害を及ぼしたりといったリスクが発生します。

そのため建設業では様々な損害のリスクに備えておくことが必要ですが、実際にどのような損害リスクがあるのか事故事例を踏まえてご説明します。

工事遂行中の対人・対物事故の事例

建設工事を行っているときに事故が発生してしまい、第三者の身体に障がいを負わせる、または財物を損壊させるといったことがあります。この場合、会社は法律上、損害賠償責任を負わなければなりません。

主な事例としては、ビル建設工事中、鉄材が落下してしまったことで下を歩いていた通行人にケガを負わせたり生命を脅かしたりといった事故が該当します。

他にも次のような事例が同様のケースとして考えられます。

・作業終了後に塗料の付着した道具を洗った水が水路へ流れ込み汚損させてしまった

・バックホーを使ってトラックに敷鉄板を積み込むとき、操作を誤り鉄板がトラック運転手にあたり負傷させてしまった

・土地の掘削作業を行っているときに隣地のブロック塀が倒れ破損した

・店舗建物の屋根防水工事のとき、養生に不備があり降雨で雨漏れが発生し、建物や設備などが濡れてしまった

 

資材・材料・仮設物などの損害

建設現場で事故や火災、自然災害などを原因とした損害が発生することもあります。この場合、建設中の建物や設備がその損害を被ることとなりますが、事故前の状態に戻す復旧作業に費用がかかってしまうことになるでしょう。

たとえば次のような事例が該当します。

・住宅新築工事で近隣の河川が氾濫し引き渡し直前の家屋が床上浸水となった

・台風による強風で漁港の加工施設建設現場の資材が破損した

・集中豪雨で用水路が増水し道路工事現場が流された

・太陽光発電所組立現場で送電用ケーブルの盗難に遭った

・大雨で工事中のポンプが水没した

 

建設作業中の労災事故

建設作業中の労災事故はどれほど注意していても起きる可能性があるといえますが、主に次のような事例が考えられます。

・資材置場で廃材がバランスをくずし作業員にあたり負傷

・作業中ユニックで吊っていた木が落下し作業員にあたり負傷

・掘削現場の埋戻し作業の際に作業員の足がパワーシャベルに踏まれ大ケガを負った

過労死や精神障害なども

長時間労働で過労死、または自死してしまうなど、精神障がいを患ったことでの労災認定は近年増加傾向にあります。

このような労災事故の場合、企業は過度の疲労や心理的負担を従業員にかけてしまったこととなり、遺族からの損害賠償請求される可能性が高いといえるでしょう。

主に次のようなケースが該当します。

・昇進に伴う業務変更や長時間勤務で業務上の負荷が増え、精神疾患に罹患してしまい自殺未遂を起こした