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建設業が把握しておきたい年次有給休暇の時季指定とは?

2021.09.06
分類:総務

労働基準法では、6か月以上継続雇用されており、すべての労働日の8割以上出勤している従業員には年次有給休暇を付与することが必要です。

これは短時間で働くパート労働者であっても、フルタイムの正社員であっても同じ扱いで、労働日数に応じて付与されることになります。

さらに2019年4月からは、どの事業所でも年10日以上の年次有給休暇付与対象の労働者には、年5日の年次有給休暇取得が義務化されました。

しかし建設業などは繁忙期で人手がますます足らなくなることは問題なので、年次有給休暇が取得できず5日に満たない場合も出てくるでしょう。

そこで、このときに対応するために必要となる時季指定について理解しておいてください。

年次有給休暇の時季指定

20194月からは法定の年次有給休暇付与日数10日以上のすべての労働者に対し、毎年5日間は年次有給休暇を取得させ消化してもらうことが義務化されています。

仮に5日間取得できていない労働者があれば、使用者側から時季を指定し年次有給休暇を消化してもらうことになりますが、このときには次のことに注意しましょう。

・時季指定は労働者の取得時季希望や意見も確認して指定すること

・対象となるのは正社員だけでなく、管理監督者やパートタイム労働者なども含まれること

・年次有給休暇付与日数10日以上に繰越分の年次有給休暇は含まれないこと

・時間単位の年次有給休暇取得分は、5日間から差し引くことはできない

5日間は年次有給休暇付与日から1年以内に消化が必要

また、時季指定を行うときには、就業規則に時季指定を行うことを規定しておく必要があります。

労働者が請求し取得または計画的付与制度で取得することで年5日消化した場合には時季指定は必要ありません。

5日年次有給休暇を取得させなかったときには、労働者1人につき30万円以下の罰金が科せられることになるため十分注意が必要です。

 

有給休暇取得は現場の生産性向上につながる

建設業者でも労働者が年間5日間の年次有給休暇が取得できているか管理していく必要がありますが、たとえば年次有給休暇管理簿を作成するとわかりやすいでしょう。

年次有給休暇を従業員に取得してもらうことは、心身の疲労を回復してもらうために重要なことであり、結果として現場の生産性向上につながります。

取得率が低い建設業者の場合、時季指定を行って従業員が休暇を取得しやすい雰囲気づくりをすることが必要といえます。