労働者派遣法では、労働者派遣ができない業務を派遣禁止業務として定めていますが、建設業でも施工管理や現場監督におけるその業務を把握しておくことが必要です。
そこで、どのような業務が派遣禁止業務に該当するのかご説明します。
派遣禁止業務に該当する業務として挙げられるのは、
・港湾運送業務
・建設業務
・警備業務
・病院・診療所などの医療基幹業務
・弁護士・社会保険労務士など士業務
などです。
人材派遣を禁止する理由として、たとえば港湾運送業務や建設業務では、需要そのものが不安定であり、特に建設業務は重層下請構造による受発注の関係から雇用関係が曖昧になりやすいからといえます。
もし派遣禁止に違反すると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられるので注意しましょう。
また、派遣された労働者に禁止業務をさせた場合には、派遣先となる企業だけでなく派遣元も労働者派遣の停止命令を受けることになります。
建設業に関わる次の業務で労働者派遣は禁止されていますので、施工管理や現場監督はしっかり把握しておくようにしてください。
・建築現場での資材運搬・組み立て
・工事現場での掘削・埋め立て・資材運搬・組み立て
・コンクリートの合成・建材の加工
・工事現場での準備作業全般
・工事現場での資材・機材の配送
・壁や天井・床の塗装・補修作業
・建具類などの固定・撤去作業
・外壁への電飾版や看板などを設置・撤去する作業
・配電・配管工事・機器の設置
・工事現場入口の開閉・車両出入りの管理や誘導
・現場の整理・清掃・内装仕上げ
・大型仮設テント・仮設舞台の設置
・プレハブ住宅など仮設住宅の組み立て
・建造物や家屋の解体
施工管理業務は、施工計画を作成・調整し、設計図書どおりに施工が進んでいるか、品質は保持できているか管理する仕事ですので、工程管理や品質管理など施工管理業務だけを行う現場監督なら派遣社員でも対応できます。
ただし工事現場に配置が必要となる専任の主任技術者や監理技術者は、派遣社員ではなることはできません。これは請負業者が直接雇用しなければならないためです。
また、建設現場で実際に作業を行う労働者は派遣が禁止されていますが、事務所で事務作業を行う事務員や、CADオペレータなどは現場作業に該当しないため派遣禁止業務に含まれません。