建設工事の現場は毎回同じではなく、短期間で新しい現場に変わることもめずらしくないため、常に安全に対する配慮や注意が必要です。
危険な環境にさらされた状況で作業をすることになりますが、足場が悪い場所や重機を扱う作業などは危険性がより高く、労働災害なども起きやすいといえます。
そこで、具体的にどのような現場作業で危険性が高いのか、リスク回避のためにも知っておくようにしましょう。
建設工事で起きる災害の種類としては、たとえば足場・屋根・屋上・崖などからの墜落・転落してしまう事故や、次にクレーンやパワーショベルなど建設機械や自動車を使った事故です。
他にも建設作業が直接事故につながるのではなく、工事現場などで交通誘導を担当していた警備員などが、建設機械や運搬機に巻き込まれたりはさまれたりすることで命を落としてしまう事故も起きやすいといえます。
特に警備員として働く方は、高齢者や女性のことも少なくないため、工事現場の関係者は細心の注意と配慮をはらうことが必要です。
従来よりも建設工事現場で発生する労働災害は減少しつつありますが、ベテラン作業員や安全担当者がだんだんと減っており、安全に対するノウハウなど十分に伝承できていません。
建設現場や建設会社で行う安全衛生管理の程度も差があり、たとえば現場と支店、元請と専門工事業者の意識の差も大きな問題といえるでしょう。
建設工事現場で起きる労働災害を防ぐためには、人為的過誤やミスによる「ヒューマンエラー対策」が重要となります。
ヒューマンエラーが起きる原因は、建設作業員の経験不足・危険軽視・不注意・連絡不足・省略行動などの他、疲労・錯覚・判断能力などの機能低下・単調作業による意識の低下などが挙げられます。
建設会社は、十分の現場のKY(危険予知)活動と、従業員や協力会社に対する安全教育、そして現場パトロールや安全衛生大会を開催するといった労働災害防止策を講じることが大切です。
厚生労働省でも、建設現場の安全管理のための指針として「建設業労働安全衛生マネジメントシステム」を制定しています。
建設会社の事務所と工事現場が一体となることで、計画・実施・評価・改善というPCDAサイクルでの安全衛生活動を継続して行うものとされていますので、参考にするとよいでしょう。