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建設業法違反による監督処分と罰則の種類

2022.07.10
分類:リスク

建設業許可は取得すれば安心というわけではなく、建設業法違反が発覚すれば処分の対象となるため、法令違反などないような運営が必要です。

そこで、実際に法令違反などがあったときには、どのような罰則を受けることとなるのか説明していきます。

建設業法に違反したときの罰則の種類

建設業者が建設業法に違反すると、当然何らかの罰則などペナルティを受けることになりますが、刑事裁判の手続を通して裁判所が決定する刑事罰を罰則といいます。

建設業法違反で科される罰則と対象となる違反行為は、次のとおりです。

10万円以下の過料の対象となるケース

許可を取得していた建設業を廃止して30日以内に廃業の届出をしなかったときに対象となります。

建設業の名称など記載した標識を掲げることが必要であるのに怠った場合もこの対象です。

他にも、営業所ごとに備えなければならない帳簿を備えていなかったときや、虚偽の記載があったとき、帳簿を保存していなかったときにも該当します。

100万円以下の罰金の対象となるケース

主任技術者や監理技術者を置いていなかったときに対象となります。

経営状況分析や経営規模等評価で求められた報告をしなかったときや、虚偽の報告があった場合にもこの対象です。

都道府県知事や中小企業庁長官の立ち入り調査を拒んだときも、罰金が科されるため注意しましょう。

6か月以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となるケース

建設業許可申請の際、虚偽の内容があったときや、変更届の提出が必要であるのに提出していなかったときに対象になります。

経営状況分析や経営規模等評価で虚偽の記載がされた申請書を提出したときも対象です。

他にも建設業許可基準を満たさなくなったときや、欠格事由に該当したとき、届出をしなければ該当することになります。

3年以下の懲役または300万円以下の罰金の対象となるケース

建設業許可を取得せずに無許可営業をしたときや、特定建設業許可を受けず下請契約を締結したときに対象になります。

営業停止処分や営業禁止処分に違反したときや、虚偽の内容で建設業許可の取得・更新したとき、不正に建設業許可を取得・更新したときも同様です。

 

建設業法違反による3つの監督処分

建設業法違反が発覚したとき、罰則ではなく次の3つのいずれかの監督処分が科されることもありますので、それぞれの内容を確認しておきましょう。

指示処分(業務改善命令)

監督処分の中でもっとも軽微な処分で、初めての違反の場合では指示処分が科されますが、そのうえで重大ではない労災事故が発生したときや主任技術者を置いていなかったときには指示処分を受けることになります。

営業停止処分

一定期間の営業活動が禁止される処分で、故意や重大な過失によりミスが発生した場合は営業停止処分となります。

指示処分に従わないときや指示処分に違反した場合も営業停止処分の対象で、違反内容によって営業停止期間も異なります。

許可取消処分

許可取消処分では建設業許可が取り消しになる重い処分です。

許可要件を満たさなくなった場合や欠格要件に該当した場合、不正に建設業許可を取得した場合などが対象です。