木造家屋の寿命は約30年といわれているため、解体工事においては長年蓄積された粉塵(ほこり)が一気に吐き出されることになります。
解体工事では、粉塵による健康被害などを及ぼさないように十分注意することが必要です。
そこで、解体工事で起きる粉塵被害にはどのような影響があるのか、引き起こさないためのポイントなどを説明していきます。
解体工事で一気に吐き出ることのある粉塵による被害は、大きく分けると次の2つです。
粉塵を吸ってしまったとき、通常の砂埃程度なら特に人体への被害はないものの、小さな子供などの場合は健康上問題が起きることもあります。
また、アレルギー体質の方がアレルゲンを含む粉塵を吸ってしまうことで、アレルギー症状が出ると考えられます。
住居への被害として、自動車・住居内・洗濯物へ粉塵が付着することが挙げられます。
粉塵が車に付着し、フロントガラスから前方の確認ができないほど積もるケースや、洗濯物がホコリまみれになるケース、家の外壁への粉塵の付着や部屋の中まで入るといった被害が発生することもあります。
作業中には洗濯物を干すことを避けてもらうことや、、戸締まりを徹底してもらうなど、協力の呼びかけが必要となるでしょう。
もしも解体工事におけるクレームが発生したとき、苦情を無視すれば不快感やストレスを溜めた近隣住民からのクレームが大きくなってしまいます。
そのため誠意ある対応が必要ですが、そもそもクレームを発生させないためにも次のような対処法を実践しておきましょう。
解体工事前に、まずは近隣に挨拶まわりをしておき、いつからいつまで工事があるか事前に知らせておきましょう。挨拶まわりのときに粗品を渡すなら、挨拶文も添えておいたほうがよいといえます。
挨拶分には、次の内容を記載しておきます。
・施工の内容
・工事を行う期間
・施主の名前・連絡先・住所
・施工業者の名称・連絡先・所在・ホームページURL
・休日の工事について
解体工事を行うときには、解体したい建物周囲を養生シートで囲い、できるだけホコリや粉塵が飛散しないようにしましょう。
近隣に駐車中の車にホコリや粉塵の被害が及ばないように、ビニールシートで車を覆うといった予防策も必要です。ただし所有者に無断でビニールシートをかけることはできないため、前に説明と承諾を取っておきましょう。
養生シートを設置していても風でホコリや粉塵が飛ばされる可能性があるため、散水作業を行って湿らせておきましょう。