建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設業の労災保険の取り扱いは特殊!知っておきたい基礎知識

2019.09.01
分類:リスク

1つの工事現場には、元請けから下請け、孫請け、一人親方などいろいろな方が出入りするため、建設業の労災保険は一般的な業種と同じ考え方で取り扱うことはできません。

建設工事現場で起きた事故は誰の労災保険を使う?

いろいろな事業所からの技術者が1つの現場で一緒に働くことになる建設業の場合、もし工事現場で事故が起きたときの労災請求はどのように行うのか気になるところでしょう。

本来、自社で雇用している従業員などが業務中や通勤中に起きた災害でケガや病気になったときなど、事業主が労災保険の請求書の事業主欄に証明を行い、被災した従業員が労災保険からの保険金を請求することになります。

しかし建設業の場合は、工事の元請けが下請けや孫請けなどの技術者についても自社の従業員とみなして証明することになります。

誰が証明して書類を作成するか注意

労災保険の請求書には、元請け労災保険番号を記載することが必要となるので、被災した下請けの技術者の休業補償請求書などを作成するときには、元請け、下請け、被災した従業員それぞれが内容を確認した上での提出が必要ということです。

なお、休業の際に必要となる死傷病報告書は、下請けが作成して提出することになるなど、取り扱いがややこしいため注意しましょう。

 

建設業の労働保険料の取り扱い

労働保険料を計算する場合も、一般的な業種では従業員に支払う賃金を基準とすることになりますが、建設業の場合は元請けの工事代金が基準となり、

「元請工事代金×労務比率×労災保険料率」

という計算式を用いて算出します。

そのため、工事現場の労働保険料は、元請けが下請けや孫請けの技術者の分もまとめて納付することになるので、事故発生のときには元請けの労災保険番号で給付してもらうことになるのです。

 

注意したいのは工事現場で働く下請けや孫請けの事業主

労災保険は労働者を保護することが目的の制度ですので、事業主には適用されないことも特徴です。

いくら事業主も現場作業に加わって他の技術者たちと同じように働いていると主張したとしても、労災保険から補償されることはありません。

元請けから受注した工事現場で下請けや孫請けの事業主が被災しても、元請けの労災では補償されないため、労災の特別加入が必要になると理解しておきましょう。

ケガを負うリスクは技術者と同じ

労災保険の特別加入制度は、中小企業の事業主を対象とするものと、一人親方など一人で事業を営む方が対象なものがあります。

工事現場でケガを負うリスクは技術者同様、事業主も同じですので、必ず加入しておくようにしましょう。