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土砂崩れを防ぐ擁壁の種類と特徴とは?工事前に理解しておきたいこと

2020.04.14
分類:リスク

住宅購入者がはじめて擁壁(ようへき)という言葉を耳にしたときに、まず何を意味するのか理解できないもののようです。

建設業界では当たり前の擁壁ですが、これは高低差のある土地の斜面に設けられ、家を土砂崩れなどから守るための役割を果たします。

なお、擁壁に種類がありますので、工法により強度や使用する素材も違ってくることに注意してください。

擁壁の役割とは?

擁壁は、土地の高低差部分の側面の土が崩れ落ちてしまうことを防ぐために設置する壁状の抗士圧物建造物を指しています。

丘や高台の住宅地などは、隣家との間に大きな高低差が発生することもあるため、強固なコンクリートなどで支えなければ土などの重みで崩れる可能性があります。

崖の崩落リスクを防ぎ建物を守るために設置されるのが擁壁なのです。

 

擁壁の設けられた土地所有者には管理責任がある

土地に擁壁が設けられている場合、土地所有者は擁壁の維持管理責任があると認識しておくべきです。

もし地震が起きて擁壁が倒壊してしまうと、その下の家にがれきなどがあたり損壊する可能性もあります。そのような事故が起きれば、擁壁が設けられている土地の所有者は損害賠償責任を負うことになるからです。

所有する土地の工作物に問題があったことで他人に損害を及ぼしたとき、その損害を賠償しなければなりません。擁壁についても同じで、土地の所有者は過失の有無に関係なく責任を問われる無過失責任があるとみなされてしまいます。

このようなトラブルが発生しないように、土地や建物の購入前には擁壁が適合しているか確認すること、地盤調査の実施などが必要です。

擁壁が古い場合はもちろんですが、たとえ新しくても地震や強い圧力により亀裂やひびが発生していることがあります。

擁壁が不適合だと判断できる場合には、強度を高めるため補強工事が必要です。

 

擁壁と土留の違いとは?

擁壁は土の崩壊を留める壁状の構造物であるのに対し、土留は切土や盛土など人の手で作られた斜面である法面(のりめん)や崖が崩壊してしまうことを防ぐ土木工事のことです。

このことから、擁壁は土が崩壊してしまうことを留める土留方法の1つで、壁状の構造物自体を指しています。対する土留は、法面や崖崩壊を防ぐ工事のことであり、構造物を指しているわけではありません。どちらも崖や法面の崩壊などを防ぐ目的であることにかわりはありませんが、何を指すのかが異なります。