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建設工事の遅れでお店が休業しなければならなくなったときの補償は誰が?

2020.04.18
分類:リスク

建設工事に遅れが出てしまったとき、お店の工事を引き受けていたのなら工事が延期されたことで休業を余儀なくされることになります。その場合、お店にとっては1日の売上×休業日数分、損失が発生することになるでしょう。

そのような場合、お店の休業補償などは誰が責任を負うことになるのでしょうか。

休業補償の責任を負うのは誰?

下請けの施工ミスなので当然、下請けがその責任を負うと考えてしまいがちですが、契約は施主と元請けとの間で成立する点に注意が必要です。

休業補償の賠償金額については、店舗の1日当たりの売上や経費などの金額によってことなることでしょう。

原則、契約関係は施主と元請けとの間で成立するものなので、施主が工事責任を問うことになるのは元請けに対してのみなのです。

 

発注先から突然発注書の金額を訂正されたら?

では下請けが発注先から仕事を依頼され、すでに作業は終了してしまっているのに元請け側が一方的に発注書に記載した金額にミスがあったとして、発注金額を減額されても受け入れなければならないのでしょうか。

発注書のミスを理由とし、後から減額することに問題はないのかという部分ですが、元請けの担当者から発注書の金額を間違ったと伝えられ金額を下げられたとき、下請けはその金額を受け入れなければならないのでしょうか。

基本的に発注書に記載された金額を前提として作業を行い、作業もすでに終了しているとき、その金額で契約が成立したことになるので変更はできません。

ただ、発注書に記載されている金額が一般的な金額と比べれば明らかに大きい(5,000円が5,000万円になっているなど)場合には、別途配慮することが必要といえます。

もともと記載されていた金額と正しいとされる金額が、たとえば単位が異なるという場合などであれば誤記であると考えられますので、双方の協議により金額を改め決定することになるでしょう。

しかし正当と思われる金額との間にそれほど隔たりがないと判断される場合には、発注者側が一方的に減額しようとしている可能性が考えられます。その場合、もともとの発注書の記載金額で主張を続け、訂正後の減額した代金しか支払ってもらえない場合は差額を請求することとなるでしょう。

なお、下請法の適用があるときには代金の減額は下請法違反に該当する可能性が出てきます。下請法違反の場合、公正取引委員会から勧告を受けるという措置が取られることになるので注意してください。