建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

解体工事を行う前に石綿(アスベスト)の使用有無について調査を!

2020.05.25
分類:リスク

石綿(アスベスト)は、繊維が極めて細かいことから、研磨機や切断機などの施設で用いること、さらに飛散しやすい吹付け石綿除去などに所要の措置を行わなければ飛散してしまい、吸入してしまう危険性が高いといえます。

以前はビル建築工事などで保温断熱の目的とする石綿の吹き付けなども行われていましたが、人が吸い込んでしまうと肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫、肺がんを起こす可能性があることが知られています。

そのため昭和50年に原則禁止となり、平成26年6月1日からも建築物・工作物の解体工事等に伴う石綿(アスベスト)飛散防止対策が強化されています。

もともとは耐火性や耐熱性のある建築材料として使われていた

昭和30年ごろから耐火性や耐熱性、防音性などの機能があるとして、石綿(アスベスト)を建築材料としていろいろな建築物に使われていました。

しかし重篤な疾病による健康影響が社会問題化し、石綿(アスベスト)を使用する製品の製造や石綿(アスベスト)を使用した建築物の解体などの工事に伴うばく露防止、一般大気環境中への飛散防止対策の強化などが図られています。

 

建物を壊すときにはどうすればよいのか

解体等工事の受注者および自主施工者は、石綿が使用されていないか事前に調査を行い、その結果を解体等工事の場所に掲示することが必要です。また、解体等工事の受注者は発注者にも、調査結果を書面で説明することが求められますし、届出が必要であれば届出事項の説明も必要です。

①建築物または工作物の解体等作業を行う場合、あらかじめ石綿(アスベスト)の使用について調査を行います。石綿などが使用されていないか目視による確認と、設計図書などで調査を行い、明らかにならなかった場合には石綿使用の有無について分析を行うことも必要です。

②石綿(アスベスト)が使用されている建築物、または工作物の場合、解体等作業を行うなら大気汚染防止法に基づいた手続きが必要となります。まず、石綿(アスベスト)の除去等に係る一連の作業を始める14日前までに、都道府県などに届出を行ってアスベスト飛散防止のための作業基準を遵守することが必要です。さらに労働安全衛生法、廃棄物処理法等の遵守も必要となります。

届出が必要となるのは特定建築材料が使用されている建築物または工作物の解体・改造・補修などの作業を行う場合です。

特定建築材料とは、断熱材、吹付け材、保温材、耐火被覆材の中で石綿を意図的に含有させたものや、石綿が質量の0.1%を超えて含まれるものが該当します。