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古いホテルの建て替え工事は苦情がツキモノ?どのように対処するべきか

2020.06.20
分類:リスク

古いホテルの建て替え工事などを行う場合、工事業者が心配になるのは近隣からのクレームでしょう。

規模の大きな工事となるため、毎日の騒音や振動などで多少の苦情は仕方がないと思うかもしれませんが、中には理不尽ともいえるクレームもあるためどのように対応すればよいのかわからなくなくこともあるようです。

そこで、ホテルの建て替えなど規模の大きな工事において、どのような苦情が多いのか、対応策などをご説明します。

大規模工事で近隣から受ける苦情の種類

苦情といってもその内容は色々です。特に近隣などからクレームとして挙げられる内容は主に次の3つといえるでしょう。

騒音

重機を駆動させたり建物を取り壊したり、建設工事の作業では騒音がツキモノです。作業員同士が呼び合ったり掛け合ったりする声や合図、スピーカー音なども騒音の対処となりやすいといえます。

法律上、騒音として認められる基準は85db(デシベル)以上ですのでこの範囲以上でなければ賠償責任の対象にはなりません。ただ、70db程度でも人の耳にはうるさいと感じるものであるため、法律で騒音と認められる大きさと人が判断する大きさは異なるものだと認識しておきましょう。

ホコリなど粉塵

建物を取り壊せば粉塵は出てしまうものですので、建物を解体する前には近隣の方に窓を締めてもらうように協力してもらうことが必要です。

ただ、洗濯物をベランダに干していたり外の駐車場に車を泊めていたりなど、それらに被害が及ぶこともありトラブルが起きてしまいがちです。

そこで、一時的に洗濯物は室内で干してもらうこと、車にはカバーをかけてもらうことなどの協力を仰ぎましょう。

法律上の粉塵による異常基準値は存在していませんが、できる限り飛散などを抑えるように散水しながら工事を進めていくなどで対応してください。

路上駐車

作業員の車や重機などが駐車して道を塞いでしまい、近隣からクレームを受けるケースもあります。

警察署に道路使用許可を申請してはいるものの、近隣の方にとっては不満に感じてしまうものです。

なお、道路の占用には道路管理者の許可を取得することが必要であり、国が管理している指定区間の国道は国道事務所で占用許可申請手続きを行うことが必要です。

 

工事前には挨拶回りを忘れずに

近所に工事を始める前までに挨拶に回っておくことは基本です。どれほど注意していても騒音や粉塵は発生してしまうものなので、挨拶回りは必ず行いましょう。

それでも苦情が来てしまったら、即刻謝りにいくなど迅速な対応や申し訳ないという姿勢を見せることも大切です。