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病院などの医療施設の改修工事は難易度が高い?その理由と注意点

2020.08.10
分類:リスク

新築で病院など医療機関を建設するときの工事よりも、改修工事のほうが難易度は高めです。

すでに入院患者などがいる状態の建物で工事を実施すること、そして病院などの医療機関は24時間365日稼働される建物であることがその理由といえます。

そのため病院など医療機関の改修工事を行う際には、工事を行っている間の収益を減少させないことと、騒音や振動による配慮が重要となります。

工事が原因で医療機関の収益を減少することは大問題に

病院など医療機関で改修工事を行う場合には、まず医療機能を維持するため工事の順番を検討することが必要です。

外来部門や診療部門など、複数の部門に分かれていても関係は密接であり、どこから工事を行うかによって患者の診療や治療に影響することになります。

そして病棟の工事では、稼働できる病床数も変わってくることとなるでしょう。

必要諸室の面積が減った分、報酬単価も減額されることがあるので、診療報酬制度と照合しながら行政とも事前に協議しておいてもらうことは欠かせないといえます。

 

工事中に発生する騒音や振動への配慮も重要

改修工事において発生する騒音や振動は、安静を余儀なくされている入院患者からクレームになってしまうこともありますし、医師が診察を行う上での妨げになるとも考えられます。

さらに工事で発生した振動が医療機器に影響を及ぼすこととなり、正しいデータが取得できなくなることは避けなければなりません。

検査などのデータに問題が生じれば、治療を行う患者に大きな影響を及ぼす可能性もあるからです。

そのため改修工事を行う際には、もし院内に大きな影響が出る連絡があれば最低でも3か月前、工事の大まかな流れは1か月前、直前の工事連絡は2週間前など、それぞれ余裕を持った時期に連絡を行っておくことが必要です。

特に注意したい直前の工事連絡

中でも直前の工事連絡は、施工する側は前の週に次週の予定を連絡することが多いでしょうが、病院という医療に携わる現場の工事です。

さらに病院での院内調整は2週間前から動くことが必要であり、1週間前に連絡を入れても間に合いません。反対にあまりに先の予定を連絡したとしても、病院側が未確定なことも少なくないので、院内の調整がスムーズに進まないという場合もあります。

そのため2週間先の状況などを都度連絡したほうが、引き続き病院側の現場稼働において工事が大きな妨げになりにくいと考えられます。