建設工事現場を台風が直撃した場合、建設していた足場などは崩れ強風で工事現場のモノが飛ばされてしまうことがあります。
もし台風により建設工事現場のものが飛ばされ、その物体で被害を負った方が出てきたとしたら…。また、建設途中の建物が台風損害により損壊してしまったら、誰がその賠償責任を負うことになるのでしょう。
台風などにより建設現場の足場や積み上げた資材などが崩れ、建物や車などに損害を与えたとしたら…。ここでポイントになるのは、現場の維持・管理や台風などが発生したときの備えにおいて、建設会社に過失が認められるかという部分です。
もし安全管理に故意・過失が認められない場合、台風という自然災害による被害となるため、責任を負うことはないでしょう。
しかし建設現場に問題点があるなど瑕疵が認められるときには、その責任を追及される可能性があります。
基本的に台風による損害は、誰が賠償するという形のものではありません。
ただ管理に問題があれば過失責任が発生し、損害賠償請求される可能性が出てきます。
そうならないためにも、台風の到来が予想されるときには風の抵抗を受けそうなものは取りはずしておいたほうがよいでしょう。
強風で飛ばされそうな資材などがあるのなら、網などを掛けておくことも必要ですし、足場のある現場なども固定状況を確認しておく必要があります。
また、台風により大雨が降り、建設工事現場が水浸しになれば木材から水分が蒸発してカビや結露が発生しやすくなってしまいます。建物が完成した後、数年かけて湿気により木材が曲がり、隙間などを発生しやすくなるでしょう。
そのため台風発生の前にはできるだけ木材が水をたくさん吸ってしまわないように、ビニールなどシートをかけておくことが必要ですが、このシートこそが風の影響を受けやすいのでその点も注意が必要です。
手間もかかりますし費用も発生するので、完全な雨への対策を行わない業者もあるようです。しかし気持ちよく完成物を引き渡すことができるように、台風により周囲に迷惑をかけない対策と同時に、建設中の建物への雨対策もしっかり行うようにしましょう。
なお、台風による被害などを保証する建設工事保険などもありますが、補償対象になるかは保険会社の補償内容によります。
一般的には台風・強風・暴風・突風・旋風により、たとえば建設中の建物にひび割れが発生したときなどは補償対象です。豪雨により発生した洪水で、建設中の建物が川に流されてしまったときや、土砂崩れなどが起きて建設中の建物が損壊したときも補償対象となっています。
万一に備え保険に加入することも必要でしょうが、必ず補償内容を確認した上で納得して契約することが大切です。