東京オリンピックで建設需要が高まっている中、2019年8月には東京ビッグサイトの建設現場で作業員が亡くなるという事故が起きるなど、建設現場では常に作業員が危険にさらされた状態です。
この事故で亡くなった作業員は、屋外での電気ケーブル敷設作業に従事していたようですが、発見されたときは倒れた状態で、亡くなった原因はわかっていないようです。
建設業界では、墜落・転落災害、建設機械・クレーン災害、倒壊・崩壊災害を三大災害として挙げられるほどで、特に現場での墜落事故や転落事故などは事故全体の4割を占めているとされています。
壁つなぎ金物の位置が確認されていなかったことや、取り付けの不備、枠組足場のブレースの欠損、または建枠防止ピンや布枠吹上防止フックが施工されていなかったことにより、十分な強度が備わっておらず、強風により足場が倒壊してしまったということもあります。
本来必要である部分がしっかり施工されておらず、事前の確認を怠っていたことが原因で起きると考えられますので、足場を組むときには強度は十分か、それに必要な作業はしっかり行われていたか確認するようにしてください。
手すりの設置などがされていなかったことや、安全帯が使用されていなかったことで転落してしまうケースもあるようです。
足場での作業でも、階段があるのに外側をよじ登るなど、これくらいなら大丈夫という過信や不安全行動が大きな事故に繋がることもあります。
特に現場に慣れている労働者の場合、自分だけは大丈夫だと考えてしまいがちですので、作業に携わる労働者一人ひとりが事故を防ごうという意識を高く持つことも必要となるでしょう。
必要なのは事故を起こさないための教育です。安全衛生教育を行うことが必要ですが、一度教育を実施すれば終わりではなく、繰り返し行うことが求められます。
教育を受けたときには、事故に対する意識が高まり、行動に慎重になり注意しようと思うかもしれませんが、時間が経過することで教育により一度は高まった意識がだんだんと薄れ、忘れた頃に労働災害が起きてしまいがちです。
注意喚起を繰り返し教育という形で行うことにより、労働者の事故に対する意識を常に高い状態で保つことができ、安全に作業に従事してもらえるようになるでしょう。