建設業において、CO2を削減することは地球温暖化問題にも対応することとなり、今重視されている取り組みです。
地球は過去1400年で最も暖かくなっている状態で、気温や海水温の上昇や異常気象など、様々な影響を及ぼしています。
今後、地球温暖化は生態系や人々の健康にも深刻な影響を発生させると考えられているため、建設業界でも施工時のCO2排出量削減に努めることが求められています。
太陽からの日射は大気と地表面に吸収され熱に変わりますが、二酸化炭素・メタン・亜酸化窒素などの温室効果ガスの大気中濃度が増加すると、地表面の温度は上昇してしまいます。
地球全体の平均気温が上昇している現象が地球温暖化ですが、温室効果ガスの1つである二酸化炭素の排出量を削減することが、温暖化対策につながると考えられています。
建設工事では様々な建設機器を使用するため、CO2削減に向けた機械導入や取り組みが必要となるでしょう。
すでに大手建設会社などでは、地球温暖化対策といえるシステムの開発なども行われています。
たとえば大成建設では、場所打ち杭を利用した地中熱空調システムなど、外気温度より夏は低く、冬は高い地中の熱を冷暖房に利用する低コストで省エネルギーな空調システムを使っています。
杭を利用することでコストを抑え、空調用機械の効率運転が可能となり省エネルギーでランニングコストも抑えることができます。
三井住友建設では、水の蒸発冷却効果を利用した屋根散水システムなどで、屋根からの熱負荷を完全にカットして空調負荷を大幅に削減するといったことも可能としています。
日中のピークのときの室内温度は10℃~3℃程度下がる上に、屋根からの放射熱は大幅にカットできるので体感でもかなりの効果が期待できるようです。
システムのコンパクト化で、ランニングコストも大幅に低減させることができることがメリットといえます。
そして丸の内・大手町地区などでは、丸ビルの省エネと快適性を両立させることを目指して、すでに様々な技術が導入され一般的なオフィスビルより3割の省エネ効果が見込める設計を実現させています。
すでに採用されている省エネ対策として、外壁・二重窓・コジェネレーション・氷蓄熱システム・外気冷房・エアバリアシステム・自動調光システム・ゾーン別の空調・大温度差送水システムなどが挙げられます。
今後は今以上に温暖化を進めないように、丸ビルのような省エネビルが増えると考えられます。