建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設工事を行う業者に対する行政指導や監督等について

2021.03.25
分類:リスク

行政では、建設工事を行う建設業者に対し、下請取引の実態調査や営業所に対する立入調査などを実施し、許可要件や施工体制、下請契約の履行状況などの確認を行っています。

もし建設業法に違反した業者が見つかれば、監督処分を厳正に行い処分情報の公表を行うなど、不良・不適格業者を排除徹底に努めているようです。

そこで、どのようなときに行政指導や処分の対象になるのか確認しておきましょう。

行政処分の対象となるケースとは?

建設業法にはいろいろな規制が設けられているため、いずれにも違反すれば不正行為となり監督処分の対象となります。

監督処分とは行政処分のことであり、違反の種類や程度によって指示処分・営業停止処分・許可の取消し処分などが挙げられます。

行政処分ではなく刑事処分もありますが、行政処分は行政が処分を行うものであり、刑事処分は裁判所が直接処分や刑罰を与えるものです。

違反と知らなかったというケースもあるようですが、知らなかったでは済まされないため違反内容や処分を十分理解しておきましょう。

 

行政処分の種類は3つ

行政処分には3つの種類があり、指示処分・営業停止処分・許可の取り消し処分とそれぞれ内容が異なります。

指示処分とは?

建設業法違反が認められたとき、建設業者を適正な状態に戻すことを目的として監督行政庁が命令を出します。

指示処分でも官公庁の判断により、指名停止になることもあると認識しておくべきです。

たとえば次のケースが指示処分の対象となる可能性があります。

・施工不良のため公衆に危害を及ぼしたまたはその恐れがある

・一括下請け(丸投げ)禁止に違反した

・建設業許可を得ぅ500万円以上の下請契約を締結した

・営業停止・営業禁止されている者との下請契約を締結した

・配置される主任技術者が工事の施工管理に関し不適当

・特定建設業者でない者が3000万円以上の下請契約を出した

営業停止処分とは?

指示処分に従わなければ、1年以内の期間で営業停止を命じられてしまいます。処分される業種の範囲は、情状により決定されることが特徴であり、次のようなケースが該当します。

・指示処分に該当した者が改善しない場合や指示処分への違反

・入札妨害罪・談合罪・贈賄罪・詐欺罪・補助金等適正化法違反・独占禁止法違反・建築基準法違反・税法違反

・役員または使用人が懲役刑に処せられた

・不正な手段で許可を取得

・施工体制台帳の作成をしていない、または虚偽作成を行った

・虚偽申請をした

許可取消し処分とは?

営業停止処分期間中に、営業活動や建設業許可要件を満たさなくなったとき許可取消処分の対象となります。具体的に次のケースが該当します。

・経営業務の管理責任者・専任技術者が退職などで不在

・不正な手段で許可取得

・指示処分や営業停止処分への違反