どれほど丈夫な建物をつくったとしても、その建物を支える地盤が軟弱であれば、あっというまに建物は沈下してしまうことになります。
地盤の強さにばらつきがあると、建物は不揃いに沈下する不同沈下を起こすことになってしまいます。
せっかくつくった建物はゆがみなどを発生させ、構造にも問題が出てくることになるでしょう。建物を建てる上でよい地盤とは、堅くて自然災害にも強い地盤です。
工場などでも固い地盤が重要とされますが、工場では精密な工作機械にプレス機、加工機などの重量のある機器を設置することがほとんどであるからです。振動なども発生するため、地盤がその影響を受けやすいと問題が発生します。
土間に極めて高い要求性能が求められますが、コンクリートの厚みや素材だけはなく、その下の地盤も土間性能に大きな影響を及ぼすのです。
また、土間の厚みを大きくするよりも地盤の改良や、杭打ちで対応したほうが費用を抑えることができることはあっても、地盤が軟弱であると性能を満たすことはできません。
そのため、地盤の調査はとても重要な項目であるといえるでしょう。
主に地盤調査を行う方法として、
・スウェーデン式サウンディング試験
・ボーリング試験
・平板載荷試験
・三成分コーン貫入試験
・オートマチックラムサウンディング試験
・ポータブルコーン貫入試験
などがありますが、他にも種類はいろいろあります。
たとえば戸建住宅などでは、スウェーデン式サウンディング試験が多く用いられます。
地盤調査を業者に依頼する際には、主に次のことに注意するようにしてください。
・地盤調査を専門とする技術者が在籍しているか
地盤調査は高い専門的な知識と技術、豊富な経験により、多くのデータを保有する業者に依頼したほうがよいといえます。
業者選びの際には、地盤品質判定士や住宅地盤主任技士といった専門技術者が在籍しているか確認しておきましょう。
地盤調査が終わった後で、地盤調査報告書を発行してもらえるか確認しておくことも必要です。この地盤調査報告書は、地盤調査を行った証明になりますし、地盤状態についての詳細が記載されているので、土地の身分証明書として使用することもできます。
地盤調査を行い地盤の状況が確認できたら、どのような工事が必要になるのか、対応できることを検討することになります。もし工事内容の見積もりを請求されたら、工事の内容について必ず説明を行いましょう。
依頼を受けて工事が完了したら、地盤改良工事報告書を発行することも忘れず行うようにしてください。