ヒヤリハットとは、重大な事故には至らなかったものの、その一歩手前や事故へつながる可能性が高いとされる出来事を認知した事例のことです。
建設業界ではこの「ヒヤリ」としたことや「ハッ」と感じたことを放置せず、ヒヤリハットとして収集・分析し事故に繋がらないようにすることが大切といえます。
建設業ではそもそも危険な作業が多く、ヒヤリハットを無視した活動はできません。
仮にヒヤリハットを放置したまま現場作業を続けていれば、いずれ大きな事故を起こしたり甚大な被害に遭ったりといったリスクが高まります。
厚生労働省や国土交通省、各自治体でも過去に発生したヒヤリハットの事例などが公開されているため、建設事業者はまずこの事例に目を通しておいたほうがよいといえるでしょう。
参考:厚生労働省 ヒヤリハット事例
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/hiyari/anrdh00.htm
具体的に、建設現場で多く見られるヒヤリハットの事例として、主に次のようなことが挙げられます。
・トラックから転落してしまう
・脚立から転落してしまう
・足場から転落してしまう
・高所から転落してしまう
・躓きにより転倒してしまう
・足を滑らせたことによる転倒
・掴まる場所などがなく転倒してしまう
・透明ガラスに激突してしまう
・後方を確認しておらず追突
・積み荷のはみ出し部分と追突してしまう
このように、建設業で多く見られるヒヤリハットは主に、
・墜落・転落
・転倒
・激突
などです。
他にも、
・高所からの飛来や落下
・崩壊・倒壊
・挟まれ・巻き込まれ
・切れ・こすれ
・高温または低温の物と接触
・感電・火災
・有害物との接触
・交通事故
・動産の反動・無理な動作
・破裂
など挙げていくときりがないほどあります。
実際に現場で働く作業員が十分に注意すること、自身の能力を過信しないことが必要ですが、さらに次のような対策を行うことでより防ぎやすくなります。
・注意換気・コミュニケーションを十分にとる
・柵・ネット・ロープなどを設置する
・運搬経路や通路はできるだけ十分に確保する
・ヘルメット・保護手袋・メガネなど保護具を適切に着用する
・使用する機械は事前に確認・点検する
・健康管理は十分にしておく
仮にヒヤリハットが発生したときには報告書を提出してもらい、事例を共有した上で安全衛生パトロールを実施するといった取り組みを進めていきましょう。
小さな事故を見える化すれば、作業員の安全に対する意識を高めることができ、重大な事故や災害につながる軽微なトラブルを防ぎやすくなります。