工場では頻繁に設備が更新されたりメンテナンスが行われたりしますが、そのとき工事を発注する担当者の廃棄物に関する知識が乏しいと、後々問題になることがあるため注意が必要です。
たとえば工場の廃棄物担当者がPCB保管状況について届出をしておいたのに、別部署が行った工事によりどこにいったかわからなくなったといったケースも考えられるからです。
さらに元請責任といった言葉だけが独り歩きし、すべて元請が責任をもってやるべきだと考える発注者もいます。
工事を請け負う業者にも影響することなので、工事を受注するときには廃棄物に関する責任について理解しておいてもらいましょう。
建設工事に関する廃棄物を適正に処理していくため、排出事業者である建設業者を元請とすることになりますが、発注者には何の責任もないわけではありません。
発注者に注意してもらわなければならないのは、主に次の3つです。
たとえば解体を予定している建物に残った不要なものなど、建設工事を行うよりも前に発生していた廃棄物と、工事で発生した廃棄物は一緒にしてはいけません。
解体せずに運び出すことができる備品などを解体し、すべてまぜて元請業者が処分することになれば適正処理・再生利用ができなくなります。
一度混ざったものを分別し、適正に処理することは容易ではないため、必ず事前に分けてもらうようにしてください。
設計図書には、
・処理方法
・処分場所
・再生処理施設に搬入する条件
など明示することになりますが、そのためにも適正処理に必要な情報など提供してもらった上で指示を受け、それらを考慮した料金が必要となります。
たとえばアスベストが含まれている場合など、分別や処理など適正に行うよう指示してもらわなければなりません。
処理費用はその分高くなるでしょうが、その作業を実現させる上で必要な費用を含めた料金を設定する必要があります。
適正に建設廃棄物の処理が行った後は、その報告を発注者に行い確認してもらいましょう。
確かに建設工事で発生した廃棄物は元請責任とされていますが、発注者には何の責任もないわけではありません。
発注先の廃棄物担当者や関係部署にも、廃棄物に関する知識を持ってもらうことが必要といえるでしょう。