建設工事は労働災害が起きやすい危険な作業が多いですが、現場で働く作業員の安全意識を高めることで労災を防ぎやすくなります。
長年、建設業界で活躍している作業員の中には、少々危険な状況でもまだ大丈夫だろうと自身の能力を過信してしまい、危険な行動をしてしまうケースも少なくありません。
しかしそのような不安全行動が事故につながることになるため、労働安全衛生法などに示されている遵守事項をしっかりと作業員へ周知していくようにしましょう。
元請けに危険な作業を指示されたとき、承諾し実行したことで事故が起きたら、法令違反したことで責任を負うのは指示をした元請けではなく実際に作業をした下請けです。
さらに事故が発生したことで、現場の代表者だけでなく経営者にも責任が及びます。
元請けは指示をしたものの、作業は直接していないため責任を免れることはできたとしても、現場で作業を行った下請けは単に指示に従っただけなのに責任を免れることはできません。
そのため危険な作業を指示されたときには断ることが大切です。
工事現場では、高所の作業と地上での作業がありますが、高所での作業では安全帯を装着します。
しかし取り外しが面倒だからと地上でも付けたまま作業してしまうと、その後の高所での作業での危険に対する意識が低下してしまいます。
必要なタイミングで安全帯を装着するようにすると、付けたときは危険な作業を行うという緊張感が生まれ、より安全意識を高めて作業にのぞむことができるでしょう。
危険な場所で作業を行っているという意識付けのためにも、安全確保の器具などは必要なときだけ装着したほうがよいと考えられます。
安全に作業を進めるために、基本ルールを守ってもらうためにも現場の責任者が安全指示を行っていくことが必要です。
しかしどれほど指示を出しても工事作業員が危険であることをイメージできなければ、安全意識を高めることはできません。
そこで、具体的な例などを出しながら危険な状態をイメージしやすいように安全指示を行いましょう。
たとえば高所作業において、安全帯の装着は面倒で作業がしにくいことを理由に付けたくない作業員がいた場合には、付けなかった場合にどのようなリスクがあるのか具体例を挙げて説明します。
一方的な指示や危険をイメージしにくい伝え方では現場の安全意識を高めることはできませんので、安全指示の方法も工夫することが必要です。