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建設工事で発生した廃棄物のリサイクルを進めるための法律「建設リサイクル法」とは?

2022.01.11
分類:リスク

廃棄物の発生量が増えたことで、廃棄物最終処分場はひっ迫し、不適正な処理を行うケースが増えるなど廃棄物処理をめぐる問題は深刻化している状況です。

建設工事で廃棄されるコンクリート塊やアスファルト・コンクリート塊などの建設廃棄物は、産業廃棄物全体の排出量・最終処分量の多くを占めるだけでなく、不法に投棄されるケースも多いといえます。

今後は老朽化した建築物の更新により、建設廃棄物の排気量が増えることが予想されるため、資源を有効利用することを目的として平成12年5月、建設リサイクル法が制定されました。

建設リサイクル法で義務づけられていることとは?

建設リサイクル法では、

・特定建設資材(プレキャスト板等を含むコンクリート)

・アスファルト・コンクリート

・木材

を用いた建築物などの解体工事やその施工に特定建設資材を用いる新築工事などで、一定規模以上の建設工事の場合には、受注者などに対し分別解体と再資源化を義務づけています。

分別解体と再資源化の実施義務対象となる建設工事規模は、

・建築物の解体工事は床面積80㎡以上

・建築物の新築または増築工事の場合は床面積500㎡以上

・建築物の修繕・模様替えなどの工事は請負代金1億円以上

・建築物以外の工作物解体工事または新築工事は請負代金500万円以上

という基準の定めがあります。

対象となる建設工事を行うときには、工事着手7日前までに、発注者から都道府県知事に分別解体の計画を届出なければなりません。

請負契約の締結についても、解体工事や再資源化にかかる費用を明記しなければならないとされています。

そして解体工事を行うには、解体工事業者として登録することも必要です。

 

東京都でのリサイクル推進に関する取り組み

東京都では、建設資源循環の仕組みを構築することを目的として、公共・民間を合わせた「東京都建設リサイクル推進計画」を立てています。

計画に定める施策の詳細な事項を規定するために、「東京都建設リサイクルガイドライン」も定め、さらに公共工事で環境負荷低減に役立つ資材を使用するための「東京都環境物品等調達方針(公共工事)」も定めています。

建設リサイクル法は正式名称を「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」といいますが、この建設リサイクル法によって建築物などの解体については、事前届出と分別解体・再資源化などが義務づけられていますので必ず守るようにしましょう。