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建設工事の構内作業車も損害保険で対象になる?

2022.02.06
分類:リスク

建設工事の構内を作業する車にはナンバープレートがついていませんが、このような自動車を「構内専用車」や「構内作業車」といいます。

ただし登録番号標または車両番号標はついているものの、道路では使用しないことから、自動車検査証の有効期間満了の際に継続検査を受けず、自動車検査証が切れている状態の自動車は含みません。

建設現場では重機や建設用工作車などを使った作業も多いですが、操作方法のミスなどで大きな事故に発展するリスクも高いといえます。

もしも作業員が作業中にケガを負ったときには、労災保険や労災上乗せ保険などの対象ですが、工事現場内で構内作業車をつかった事故などは保険で補償されるのか解説していきます。

工事現場の「構内専用車」の事故も保険で補償される?

工事現場では、賠償事故が起きてしまったときの備えとして、建設業向けの賠償責任保険や請負賠償保険に加入しているケースもめずらしくありません。

そして事故の中でも、ユニック車・油圧ショベル・ユンボ・フォークリフト高所作業車など、建設用の工作車を使っているときに起きた事故の場合、現場の賠償保険と自動車保険のどちらが対象になるのか気になることもあるでしょうが、事故の内容によって判断が異なります。

自賠責保険の場合は注意しておくことが必要

自動車損害賠償保険法に基づき、自動車を使用するときには自賠責保険への加入が義務付けられています。

自動車やバイクだけでなく、公道を走行するフォークリフトも自賠責保険に加入しなければなりません。

構内専用車などナンバープレートがついていない車両の場合は、自賠責保険に加入することは強制されていませんが、万一の事故に備え自賠責保険または現場の賠償保険等に加入しておいたほうがよいでしょう。

通常は車検を受けるときに加入しますが、公道を走るフォークリフトなど車検を受ける必要はなくても自賠責保険へ加入しなければならない車両もあることは注意しておくようにしてください。

 

自賠責保険未加入の車両により事故が発生したら

自賠責保険も加入しておくと、相手の治療費用120万円を限度として補償されることとなり、死亡では3000万円を限度、後遺障害で4000万円を限度に保険金が支払われます。

仮に自賠責保険に加入してない車両が事故を起こしたとき、民間の自動車保険にも加入してなければ補償がなにも出ないことになります。

本来は自賠責保険に加入するべき車両を構内専用車として使い、自賠責保険に加入していない状態で敷地や現場で事故を起こしてしまったときは、自賠責保険の支払い対象の部分は自動車保険と同じく現場の賠償保険で補償されませんので注意してください。