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一般的な住宅が加入する地震保険で補償される内容とは

2022.03.19
分類:リスク

地震保険とは、地震・噴火・地震による津波を原因とした火災・損壊・埋没・流失による被害を補償する保険です。

単独で加入できず、火災保険に付帯する形で契約が必要であり、一般的な住宅などがその対象になります。

地震による損害は額が大きくなりやすいため、民間保険会社だけでは責任を負うことが難しく、政府が再保険として補償する仕組みになっています。

そのためどの保険会社で契約しても、補償される内容や保険料は同じですが、具体的にどのような補償内容になっているのか説明します。

地震保険の補償額と認定基準

地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の3050%の範囲内で、建物5千万円・家財1千万円の上限金額になっています。

保険会社により、火災保険の特約として準備されている「上乗せ特約」を付帯することで、地震による損害を100%の全額補償できます。

支払金額は補償対象建物の損害状況により異なり、損害状況の認定基準は次の4つに区分されます。

・全損

・大半損

・小半損

・一部損

 

地震保険の加入方法と補償されないケースに注意

地震保険だけに加入したいと希望しても、単独加入はできないため、必ず火災保険に付帯する形で契約することになります。

そして次に該当するものは、地震が原因で損害を受けたとしても補償されません。

・小切手・株券・商品券など有価証券類

・預貯金証書

・自動車

・印紙・切手

1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・骨董など

・事務所や工場など住居用でない建物

・故意もしくは重大な過失または法令違反による損害

・地震発生日から10日以上経過後に生じた損害

・戦争・内乱などによる損害

・地震などの際の紛失・盗難

 

公的な補償だけで地震に備えることは難しい

日本は地震が頻発するため、地震保険に対するニーズも高いといえます。

仮に地震の発生が少ないとされている地域でも、数年前の熊本震災のように、いつどこで起きるかわからないと留意しておくべきです。

地震リスクに対する公的制度もあり、たとえば「被災者生活再建支援制度」では、生活再建用の支援金が最大300万円まで支払われます。

しかしこれだけでは十分とはいえないため、それぞれで地震保険に加入し備えておいたほうが安心といえます。

なお、地震保険の保険料は、

月額保険料=保険金額×保険料率(基本料率×割引率×長期係数)

で計算されますが、建物の構造以外にも地域によって違いが見られます。