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自然災害で被災場所のインフラを支える建設業に求められるBCPとは

2022.04.18
分類:リスク

大災害や事前災害など緊急事態が起きたとき、地域が頼りにしたい業種として挙げられるのが建設業です。

そのため、他業種以上に事業継続計画(BCP)が重要とえますが、単に策定すればよいわけではなく、インフラを支える業種という特質を考慮した上での策定が必要となります。

そこで、自然災害で被災場所を支える建設業には、どのようなBCP策定が求められるか解説していきます。

なぜ建設業にBCPが必要か

自然災害などが発生したとき、防波堤や防潮堤・橋、浄化センターや水路など、除染活動などに協力しながら地域に貢献することが必要となります。

そのため建設業では、行政と協働しいち早く現場に駆けつけ、迅速な応急復旧ができる体制が求められます。

ライフラインの復旧を通じて住民生活の救援にあたることも、災害時の役割として求められるでしょう。

インフラ復旧工事は社会全体の早期復興に直結するため、建設業のCSR活動のひとつとして位置づけられていることからも、BCP担当者は策定することが自社のみならず社会全体の利益につながると意識するべきでしょう。

 

建設業のBCP策定の主な流れ

建設業のBCP策定の方法として、国や地方公共団体が公表している文書などを参考にするケースが多いようです。

日本建設業連合会でも、平成2411月に「建設BCPガイドライン」を公表しているため、BCP策定の際には参考にするとよいでしょう。

具体的には、次のような流れで策定することとなります。

検討対象となる災害を特定する

検討する対象として、事業に著しいダメージを及ぼす可能性のある重大災害を想定します。

自然災害やウイルス感染症、事故や環境汚染など、災害に応じて策定するBCPも違ってきます。

政府や都道府県ごとで公表されている震度分布図やハザードマップなどを参考にしましょう。

影響度を評価する

災害により、自社にどの程度の影響が及ぶのか、測定を行います。

停止期間と対応力を見積もる

重要な業務は、さまざまな観点からどの程度まで耐えることができるか、操業度の下限と復旧時間を分析し判断します。

重要業務を決定する

活用できる人・物・経営資金などには限界があるため、継続しなければならない重要業務を絞り込みます。

目標時間を設定する

重要業務再開までどのくらいの時間なら許されるのか、業務ごとに策定します。

重要業務が受けてしまう被害の想定

事務所・工場・機材・要員・原料・輸送など経営資源が受ける被害を考慮し被害を想定します。

重要な要素の抽出する

重要業務の継続には不可欠でも、復旧や再調達に手間がかかる重要なボトルネックを洗い出します。

BCPを策定する

ボトルネックを乗り越えるための戦略・対策を立て、具体的なBCPを策定します。