建設工事で発生する事故のうち、「墜落・転落」による事故は重症化しやすく、多く発生している傾向がみられます。
建設業の労働災害による死亡者数は年々減少傾向にあるといわれていますが、事故による死亡者数の40%前後はこの「墜落・転落」による事故が占めています。
労働現場の管理責任を追及され、損害賠償請求されるケースも後を絶たないため、建設現場の「墜落・転落」による事故の現状について把握しておきましょう。
建設業の工事現場では、足場・梁・屋根などの作業中に落下してしまい、命を落としてしまうといった事故も多く見られます。
全業種のうち、建設業での死亡事故は全体の3割以上と、とても高い割合を占めます。
工事現場で多くのは「足場」からの墜落・転落事故で、組み上がった足場上での作業中、または移動中が半数を占めています。
足場の組立てや解体作業中でも3割以上の事故が発生していますが、いずれのケースでも会社や元請に対し損害賠償を請求することが認められた例もあるため、現場の安全管理は適切に行うべきでしょう。
労働現場の管理責任は、安全配慮義務違反があったかによって決まります。
安全配慮義務とは、現場の作業員が安全で健康に働くことができるように配慮する義務のことです。
事故原因が組織・活動にある場合や、現場の建物・設備に危険があったことが認められれば、会社や元請は多額の損害賠償を請求されることになります。
重篤な後遺障害や死亡事故につながったときには、数千万円規模の賠償金が発生する例もあります。
労働災害は、様々な角度から事故を起こさないための安全に配慮はできていたかという検証により行われます。
配慮がなされていない状態で墜落・転落事故が発生したのなら、会社や元請けの過失が認められることになるでしょう。
そのため、
・落下防止の柵や帯など策を施しているか
・作業員の健康状態を把握しているか
・作業工程に時間的な無理はないか
・安全教育を実施し危険を回避する適切な注意をしているか
ということを踏まえて、工事を進めることが大切です。
仮に会社の責任を認められる場合でも、過失相殺(割合)で減額できるケースもありますが、誠意ある対応と事故を起こさない未然の対策が重要といえます。