たとえばマンションの場合、建物を建築してから時間が経過するとだんだんと劣化していくものです。建物の外観も古くなりますし、給水管も劣化するものですが、目安としては20~30年が寿命とされているので、更新工事が必要となります。
もしマンションで給水管に漏水が発生してしまえば、多くの住戸に甚大な被害が発生することとなるため、更新工事の施工は重要です。
ただ、多くの方が住むマンションという構造上、簡単に工事を行うことができない点を理解しておく必要があります。
マンションの給水管の更新工事については、業者により違いはあるもののおおよそ次の内容で進むこととなります。
・まずは住民に向けて設計概要説明会を開催される
・施工会社の公募・選定が行われ、通常総会で承認される
・施工会社から住民に向けて工事概要説明会を開催
・共通仮設工事と共有部分の給水管更新工事の実施
・全戸室内を事前に調査する
・室内工事のテスト施工を行う
・住民に対する室内工事説明会を開催する
・各住戸の室内工事を実施
・工事完了と撤去作業
この流れだけ見ても分かる通り、説明会の開催なども含め大規模な工事となることが予想されます。仮に数百戸ある規模の大きなマンションの場合、工事が完了するまで了まで2年以上かかるケースもあると理解しておいてください。
給水管更新工事は単に共通部分を工事すればよいわけではありません。それぞれの住戸での工事も含まれますので、前もってしっかり準備をしておかなければ住民とのトラブル発生や、工事が遅れる原因となる場合もあるので注意しましょう。
仮に工事を行えない住戸が発生した場合、漏水する危険性も高くなるのですべての住戸の工事を確実に完了させるようにしてください。
給水管工事では住戸の専有部分に立ち入ることが必要になる機会が増えるので、住民の協力は欠かせません。室内工事を行う前の調査を行い、指定した日には必ず在宅しておいてもらい、さらに家具の移動や片付けなどまで協力してもらう必要があるのです。
施工会社独自の判断では行えない部分が多く、住民との理解、協力を得ることができる体制を整備することがとても重要になります。
また、完了までに数年かかる工事だからこそ、定期的に進捗を住民に公開していくことにより、安心感を高め信頼関係を築くことに繋がるといえるでしょう。