工事現場の現場監督にとって、盗難被害に遭うことは避けたいことですが、もし資材などが盗難被害に遭うと工期は遅れ、再度資材を準備しなければならないなど大きな損失が発生してしまいます。
夜間は誰もいなくなる工事現場だからこそ、盗難被害に遭いやすいことを改めて理解し、どのような資材が狙われやすいのか、防止するためにどのような対策を講じればよいのか把握しておきましょう。
工事現場の盗難事故が発生することはめずらしいことではありません。社会問題となったことで記憶に残るのは、2008年に開催された北京オリンピックに向けた大規模開発工事のときです。
中国ではこのオリンピックに向けた施設や設備の建築により、資材などの需要が急上昇したわけですが、この情勢に合わせるかのように、日本の建築現場ではステンレス建材や銅線といった建設資材の盗難が相次ぎました。
工事現場の盗難事故でもっとも盗まれることが多いものは敷鉄板、次にケーブルなど金属類がその半数を占めます。
他にも発電機、計測器、電動工具なども盗難被害に遭うことが多いので、種類を問わず盗難に遭う可能性はあると考えておくべきです。
2020年には東京オリンピックが開催されることが予定されていますが、首都圏では建築ラッシュが続いている中、様々な工事現場で盗難事故が発生しないか細心の注意が必要といえるでしょう。
工事現場は夜間誰もいない状況が出来てしまいますので、盗難被害を防ぐには盗品を持ち帰ることを難しくする状況を作ることが必要です。
敷鉄板はそれぞれを溶接して繋げたり、大型のケーブルドラムも他の固定物と結んでおいたり、簡単に持ち運べない状況を作っておきましょう。
さらにこれらは持ちだすには車両が必要になるため、入り口は重機などを横付けしておき、車両の通行を妨げるようにしておけばより持ち出しが難しくなるはずです。
工事が終わった後はなるべくものを残さず、工具や小型のケーブルドラムなども事務所に保管しておくようにしましょう。
盗難は夜間に集中しますので、事務所には防犯センサーを設置し、不審者が侵入した場合には点灯や音で知らせるようにしておくことが大切です。
現場作業を行う一人ひとりに対し、盗難対策の重要性について理解を得ておくことも大切です。盗難被害に遭えば、盗まれて不足した資材は再度調達することになりますし、工期にも遅れが発生して大きな損失を被ることとなってしまいます。
それぞれができる対策を行うことにより、防げることもあると理解しておきましょう。