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建設工事における履行保証制度とは?

2020.01.25
分類:リスク

国や地方公共団体など公共工事を発注する際、請負者に対して工事代金の一部を前金で払うとき、この前払金額を発注機関に対して保証する保証事業会社についてご存知でしょうか。この保証事業会社は、公共工事の入札参加の際に必要な入札保証、請負契約締結の際に必要な履行保証も行っています。

建設業界での履行保証制度には、金銭的な保証と役務的な保証があります。それぞれどのような内容なのか、保証を受けるために必要なことなどについて把握しておくようにしましょう。

履行保証制度の種類とその内容

建設業界の履行保証制度を大きく分類したうちの1つである「金銭的な保証」とは、受注者の債務不履行に伴って発注者の経済的損失を金銭で填補するという形になります。

たとえば契約保証金の納付、国債など有価証券の提供、履行保証保険、履行ボンド、保証事業会社や金融機関の保証などがその方法として認められています。

もう一方の「役務的な保証」とは、受注者の債務不履行に伴って残りの工事は保証人が選ぶ代替履行会社に完成させるというものです。こちらは損害保険会社による履行ボンドがあります。

 

契約保証の仕組み

公共工事における契約保証とは、公共工事の請負契約を結んだとき、請負者から発注者に対して納められる契約保証金の代わりになる金銭的な保証です。

請負者の責任で請負契約が解除されたとき、債務不履行によって発生する損害金相当額を、請負者に代わり発注者に弁済してもらえるという仕組みになっています。

契約保証金とは

契約保証金とは、公共工事の請負契約を結ぶときに請負者から発注者に納められるお金です。請負者が請負契約上の義務を履行することを確保するため、担保として支払われます。

請負者が請負契約上の義務を履行しなければ、それにより発生した損害賠償がスムーズに行われることを目的しているので、請負者の債務不履行の際には国庫、または公共団体に帰属することになります。

契約保証のメリット

発注者にとっては請負者の責任で契約が解除されたとき、スムーズな違約金の支払いで再度入札などが可能となり、引き続き工事を施工することができるでしょう。

建設企業にとっても公共工事の入札の際には、金銭的保証の選択肢が広がるでしょう。ただし、保証契約を結ぶ際には保証料が発生します。

契約保証の対象

契約保証は前払金保証に付随する特約としての位置づけなので、前払金の支出が予定されている公共工事が対象になります。