国土交通省は、土木工事を受注した建設業者に対して、水洗機能の備わった洋式仮設トイレを作業現場に設置することを義務付けています。
この水洗機能付きの洋式仮設トイレを「快適トイレ」といいますが、女性も働きやすい建設現場にすることを目的としており、洋式需要を高めることによるレンタル業界の備蓄と災害活用なども目的としているようです。
そこで、国土交通省が定める「快適トイレ」の標準仕様について解説していきます。
建設現場の女性割合は3%程度であり、まだまだ建設業界は男性主体の職場というイメージが強いといえます。
高齢化に伴い人手不足が加速する中で、女性を重要な担い手と位置付け増やそうとする取り組みもあるものの、やはり建設現場の環境が問題といえるでしょう。
たとえば建設現場の仮設トイレは、靴についた泥などで服が汚れやすい状態であるのに、和式が中心でした。
女性仕様にはなっていなかったため、女性の入職者を増やすことのできない妨げになっていたといえるでしょう。
そこで、建設現場では「快適トイレ」の標準仕様が義務付けられるようになり、女性でも安心できる職場へと変わりつつあります。
国土交通省が定める快適トイレの標準仕様は全部で17項目あり、は洋式便座であることや水洗またはし尿処理装置付きであること、臭い逆流防止機能付きであることが必要です。
さらに施錠が二重ロックなどしっかりでき、照明は電源がなくても点灯できるもので、衣類掛けなど荷加重5キログラム以上のフックか荷物置きを設置することも必要とされています。
さらに付属品として、男女別を明確に表示することや、直接入口が見えない配慮から入口を目隠しすること、サニタリーボックスや鏡つき洗面台、便座除菌シートなど衛星用品も設置が必須とされます。
他にも推奨仕様として、室内寸法は四方が90センチメートル以上で、擬音装置・着替え台・フラッパー機能の多重化・窓など室内温度調整機能・小物置き場の設置などがあればさらによいとされています。
建設現場の洋式トイレは、男女問わず快適という高い評価を得ており、災害時にも避難所で設置されることが望まれます。
災害時の仮設トイレも和式がほとんどで、足腰の弱い高齢者が和式便器に直接座わるといったケースも見られるなど、衛生面でも問題視されています。
和式に慣れない子どもなどもいるため、今後は快適トイレが災害現場にも普及されることが望まれます。