建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

トンネル工事で使われる4つの工法とそれぞれの特徴

2022.07.14
分類:その他

自動車や鉄道用のトンネルを掘り進めていくには、高度な技術や性能の高い建機などが必要ですが、山岳・地中・海底などの土砂などを取り除きながら施工していくことになります。

ただ、トンネルの施工方法は場所や用途により異なり、土地の状況などで適した工法を選ぶことが大切です。

そこで、トンネル工事で用いられる工法の種類と、それぞれの特徴について説明していきます。

山岳工法

山岳部のみで用いられていた工法ですが、現在は都市部のトンネルなどでも使用されています。

山岳の屈強な岩盤を掘削する工法で、ダイナマイトで発破するか、マシンで掘り進め掘削した部分をくずさないよう支保工で土を支え、周囲にコンクリートの壁を作っていきます。

トンネル先端部分は随時掘削をつづけていき、後方で壁を作り前進して掘り進めていく後方です。

トンネル周囲の地山がトンネル自体を支える支保機能を利用した技術ですが、表面に亀裂や湧水による地質にムラがあれば、支保機能は崩壊してしまいます。

そこで、コンクリートにより表面を固め、ボルトを打ち込み深いところまでトンネルを一体化することが必要です。

山岳工法による工事では、掘削機やダンプトラックなど汎用重機を使用します。

 

シールド工法

シールドマシンという筒型のマシンを使い、ゆっくりと土の中を掘削していく工法です。

前方の土砂を取り除きながら、掘った部分をくずさないように機械内部でセグメントを組み立てていきます。

地上から掘削しない方法のため、既設の地下構造物の下でも工事を進めることができ、軟弱な地盤でもトンネル工事できる工法ではあるものの、コスト面は高めです。

ただしシールド工法でトンネルをつくる場合には、筒状のシールドマシンで掘削するためほぼ円形に限られてしまいます。

 

開削工法

地下鉄トンネルの掘削方法の1つで、オープンカット工法や露天掘りと呼ばれることもある工法です。

両側に鉄の杭を打ち、その上にH型の鉄の桁をかけ鉄板をしき、地上で掘り進めていきます。

地下でも浅い場所のトンネル建設などに用いられる工法で、都市トンネルの標準的な工事方法として頻繁に用いられてきました。

しかし都市が過密化したことで、現在ではシールド工法が主流になっています。

 

沈埋工法

河口や湾など、浅めの海底トンネルを掘るときに用いられる工法で、トンネル構造物を事前に製作しておき、制作した箱を海底に並べてトンネルを作るプレハブ工法といえます。

地盤が弱く口径の大きなトンネルを掘削することが難しいときに用いられます。