AI(人工知能)技術が進化したことで、建設業界においてもAIアプリなどが導入されるケースが増えました。
国土交通省も「AIを活用した建設生産システムの高度化に関する研究」を公表しており、ますます建設業界のAIアプリ導入が注目されていますが、そもそも何を目的とするのか、導入が進まない理由などについて解説していきます。建設業界では、人口減少や少子高齢化を背景として人手不足は深刻化しています。
建設労働者を確保するために、週休2日制を実現することや待遇の見直しなどが急務といえますが、足りてない人手を確保するために国も様々な施策を打ち出しています。
国土交通省も、平成28年、建設現場の生産性向上に向けて「i-Construction」を公表しました。
「i-Construction」とは「ICT(情報通信技術)」を活用することで建設現場からビッグデータを得て、効果的に活用する取り組みです。
技術開発が著しいAIやIoTなどを建設現場に導入し、うまく活用していくことが欠かせないといえますが、ビッグデータを管理・連携するための時空間的なデータ管理を整え3次元情報基盤を構築することも欠かせません。
以上のことから、建設業界の課題解決に向けてAIアプリを導入する主な目的は次の2つといえます。
・働き方改革を実現すること
・建設現場の生産性を向上させること
そして建設業界にAIアプリを導入する上で、障壁となる次の4つの課題解決がポイントといえます。
・業務にAIを適用させる上での課題
・調達高度化に向けた課題
・施工管理高度化に向けた課題
・情報連携高度化に向けた課題
建設業界にAIアプリを導入するメリットは、主に次のとおりです。
・単純作業を自動化できる…人材不足解消につながる
・安全性向上の手段として活用できる…安心して働くことのできる環境実現につながる
・現場作業をAIやロボットに任せることができる…現場以外の仕事を増やすことにつながる
反対にAIアプリを導入するデメリットとして、次の点に注意するようにしましょう。
・単純作業の大半が機械作業に置き換わってしまう…単純労働者は仕事を失う
・熟練技能者の技術やノウハウ、勘などをAIに学習・蓄積されることで、熟練技能者でなくても様々な建設工事に対処できるようになる…熟練技能者の必要性がなくなる
・スマホやタブレットを持参することで、建設アプリを操作し作業することを課されてしまう…建設アプリを習得することが必要になるため、できないときには仕事ができなくなる