建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

民間企業と地方自治体の入札の違いとは?

2022.12.27
分類:その他

建設工事の入札の際に、発注先が民間企業のこともあれば地方自治体である場合もあります。

企業の入札と異なり、地方自治体の入札には特殊といえるポイントがありますが、その内容について説明していきます。

地方自治体と民間企業の入札の違い

入札制度では、発注先が依頼する調達物に対し、契約希望者に応札させてどこと契約するか選ぶ手続です。

民間企業の入札と異なり、地方自治体の入札制度は次の2つをとても重視しています。

予算の透明性
入札の公平性

それぞれ説明していきます。

予算の透明性

地方自治体で入札に使用された落札金額や入札先などの情報は公開することが重要となります。

少子高齢化の影響で、財政難に陥っている自治体なども少なくありません。

一般企業と比べたときに税金による膨大な予算を抱えていますが、その予算が何にどのように使われているのか、住民には知る権利があるといえるでしょう。

税金で成り立つからこそ、予算や使い道の透明性を高め、信頼を得ることが大切です。

入札の公平性

公共事業の入札で談合などはあってはならないことです。

談合とは、企業や地方自治体が事前に相談し受注企業や金額を決めることですが、基準を守り適切に行われなければならない競争の場です。

公平性が問われる中で先に受注企業や金額を決める行為は独占禁止法で禁止されており、不正取引として大きなペナルティが課せられます。

全国の知事会では、談合が発覚した自治体に対し、厳しい処罰を与える指針も発表され、平成1516日には「入札談合等関与防止法」も施行されており、国や地方公共団体などの職員が談合にかかわる官製談合を行うことを防いでいます。

地方自治体の入札で必要となる資格

地方自治体の入札資格は入札案件により異なりますが、認証・国家資格・特定業務の実務経験など求められることがあります。

主に確認される項目は以下のとおりです。

・所在地
・資本金額
・従業員数
・経営規模
・経営状況
・過去の実績

地方が公告している公示書や入札説明書など確認するとよいでしょう。

条件を満たしても入札ができないケース

条件を満たしているのに入札できないケースとは、主に次の3つです。

・入札に必要な契約締結能力がないケース
・破産手続開始決定を受け復権していないケース
・暴力団員による不当行為防止などに関する法律に該当するケース

他にも、次に該当するときには3年以内の期間で一般競争入札に参加できなくなる可能性があります。

・明らかな手抜き・数量不足など不正行為があったとき
・業務妨害や複数の事業者で不正な利益を得ようとする行為があったとき
・落札事業者の契約や契約後の仕事の邪魔をしたとき
・落札・契約後の自治体側の仕事の邪魔をしたとき
・正当な理由なく契約内容の仕事を行わなかったとき
・契約後に代金を高額に見積もり請求したとき
・上記により一般競争入札に参加不可となった人物を代理人・支配人・使用人として使用したとき