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高い技術力に基づいて鋼で造られた橋梁「鋼橋」について解説

2023.01.25
分類:その他

「鋼橋」とは「こうきょう」と読みますが、主要構造に鋼材を使って、鋼板とボルトを組み合わせて作る橋です。

橋にはいろいろな形がありますが、主部材として使われているものや構造形式で橋の名称は変わってきます。

たとえば「木橋」は、主部材が丸太など木質材料であり、「複合橋」はコンクリートと鋼材を合わせてつくります。 

では「鋼橋」とはどのような橋なのか、メンテナンスするときに必要になることなど解説していきます。

鋼橋とは

「鋼橋」とは、橋の主桁や主構など主部材に「鋼材」が使われており、鋼板とボルトを組み合わせ建設する橋で、桁厚に厚みがあるなどの特徴があります。

コンクリートを圧縮して建設する「PC橋」よりも伸び縮みする量が多く、気温が1℃上がれば伸縮量に1.2倍差が発生します。

そのため、鋼橋に橋梁用伸縮装置を施工するときには、揺れやたわみを考慮しつつ、規格の大きな装置を設置することになります。

鋼は比強度が大きく材質は強く軽いため、コンクリート造りの橋よりも重量が軽くなることから、支間長の長い架橋に用いられます。

鋼橋はメンテナンスが重要

鋼は「鉄」と「炭素」で成り立つ素材です。

その「鋼材」を使った鋼橋は、経年によりだんだんと腐食が目立ち始めることになります。

鋼材に発生したサビから、ひび割れや欠損が起きることになるため、腐食の進み具合によって都度メンテナンスが実施されます。

鋼橋のメンテナンス方法

沿岸部に建設される橋は塩害の影響を受けやすく、漏水や帯水の多い部分も損傷が広がるリスクが高くなります。

ボルトがゆるんでいたり破断していたり、亀裂が発生していれば重大な事故に繋がる恐れもあるため、メンテナンス工事はとても重要です。

現場で行う鋼橋のメンテナンス作業のうち、次の2つを紹介します。

・防食と塗装

・高力ボルト取替工事

それぞれ説明していきます。

防食と塗装

鋼材の腐食を防ぐために行うのが塗り替え工事で、サビや剥がれなどの部分に重防食塗装などを行います。

ボルト付近など局所的な損傷は局部補修を実施し、補修の頻度が多いときには、腐食環境改善のため漏水・帯水対策工事が行われます。

高力ボルト取替工事

高力ボルト取替工事で、橋梁を含め鉄骨建造物に使うボルトを強度の高い高力ボルトに交換します。

締め付けるときには、一次閉めをした後に本締めをします。

安全上、使用は一度きりという規定があることからわかるとおり、頑丈さは折り紙付きともいえるでしょう。

耐久性の高さが魅力の高力ボルトでも、経年による劣化は避けることができません。

部材同士の結合にゆるみが出てくれば、再度修繕が必要です。

なお、取替工事では状況に応じ、欠損部分だけでなく、すねて高力ボルトに交換する場合もあります。