土地の切土や盛土など、地盤の改良工事を行うことがありますが、宅地造成や土地の造成とは具体的にどのようなことを行うのでしょう。
そこで、宅地造成・土地の造成とはどのようなことを意味するのか、造成工事の種類とその内容について簡単に解説していきます。
「宅地造成」とは、土地に宅地の機能を与えるために次の工事を行うことです。
・切土・盛土などで斜面を平坦化するなどの工事
・擁壁を設置する工事
・排水施設を設置する工事
・地盤を改良する工事
宅地造成で形成された宅地は造成地と呼ばれますが、宅地造成の一定の工事においては盛土規制法に基づき、着手する前に都道府県知事の許可を得ることが必要とされています。
土地の造成が必要になるケースは、土地を有効に利用するための区画や形を変更する必要が出てきたときです。
不動産を相続し、アパートを建てたいと考えたとしても、樹木が生い茂っている傾斜地ならアパートを建てることはできません。
そこで、樹木を撤去し傾斜部分をなくし土を盛って平らにし崩れないための擁壁をつくります。
盛土部分は地盤が弱いため土地改良で強固にすることも必要ですが、これらの工事が土地の造成といえます。
他にも道路よりも低い土地を高くしたいときや、広い土地に道路や宅地を造成したいとき、土地の高低差をなくして土砂崩れを防ぎたいときなどに行われます。
造成工事には、主に次の5つの種類があります。
・整地
・伐採・伐根
・地盤改良
・盛土
・土留め(土止)
それぞれどのような工事なのか説明します。
「整地」とは地面を平らにする工事で、コンクリートガラ・石・草などを取り除いて表面を固めきれいな状態にします。
「伐採・伐根」とは、建物を建てるときに支障をきたす樹木を、単に幹や枝を伐採するだけではなく、根っこから引き抜いて除去することです。
「地盤改良」とは、地盤が軟弱な土地を改良し、長期的に建物の荷重に耐えることができるようにすることです。
表層の土にセメント系の固化材を混ぜ固める表層改良と、建物を支えるための柱状改良や鋼管杭などがあります。
「盛土」とは、大雨や台風などで水が流れ込み、土地の水没や建物の浸水リスクがあるとき、地盤面を高くすることです。
傾斜地の地盤を平らにし有効利用しやすい状態にするときにも行われます。
高低差のある土地や盛土でできた斜面を崩れないように擁壁をつくることを「土留め」といいます。