各種照明器具や表示用に用いられることが多い「ネオン管」を使った工事で活躍するのが「ネオン工事技術者」です。
ネオン管とは、ネオンガスを封入した放電管を指しており、橙赤色(とうせきしょく)に発光することが特徴で、広告照明などに使われることが多いといえます。
このネオン管が発光するのは、両端に6,000〜15,000Vの高電圧を掛けるからといえますが、高い電圧を扱うからこそ配線にはネオン工事技術者の資格が必要です。
そこで、ネオン菅を使った工事で求められる資格「ネオン工事技術者」について解説していきます。
ネオン管は、両端に電極が備わっており、電流を流すことで端から端まで電子が飛び出します。
その飛び出した電子が、管内に詰められた気体の原子にぶつかることで、特定色の光を放ちます。
そこにネオンガスという気体を入れると鮮やかな赤色を発しますが、他にも次のようなガスの種類で発色が異なります。。
・アルゴン(紫色)
・ヘリウムガス(黄色)
・クリプトンガス(ピンク)
・キセノンガス(青色)
ネオン管が発明される前までの広告照明は、たとえば小さな白熱球を並べるなどの方法で、絵や文字を描いていることが多かったといえます。
しかし白熱球は眩しさが強いといえますが、ネオン管は眩しさも少なく線で光るため、発明されてからは世界各国で次々に普及しました。
日本で最初にネオン菅が採用されたのは、銀座や大阪の商業施設といわれています。
遊興施設や歓楽街で使われることが多く、繁華街のことをネオン街と呼ぶこともあるほどです。
現在ではネオン管ではなく、LEDライトを使った色彩照明であるLEDネオンサインなどが利用されています。
ネオン管は、ランプ寿命が30,000時間と長めであるため、メンテナンスなど容易ではない高所のサイン照明などにも活用できます。
近年ではエネルギーやメンテナンス費用などの負担を抑えるため、LED光源に置き換えが進んでいますが、実際、LED照明のほうが寿命も10,000時間以上長く消費電力も小さいためメリットは大きいと考えられます。
ネオン菅の設置やネオン電線を配線するための資格が「ネオン工事技術者」です。
「公益社団法人日本サイン協会」主催のネオン工事技術者試験に合格すると与えられる資格であり、ネオン設備の安全確保と災害防止に必要な正しい知識と技能を習得している証明になります。
ただし電気工事士の資格を取得していなければ受験できないため注意しましょう。
試験に合格し申請することで、特殊作業を可能とする「特種電気工事資格者(ネオン工事)」が与えられます。