建設工事の発注先は、民間のこともあれば国や地方自治体の場合もあります。
国や地方自治体は第一セクター、民間企業は第二セクターといいますが、では第三セクターとはどのような事業体なのでしょう。
そこで、建設工事ともかかわりが深い第三セクターとはどのような分野なのか、その事業体について説明していきます。
「第三セクター」とは、国や地方自治体が経営して公的役割を果たす公企業と、物資やサービスを販売し収益を得る民間企業の中間的な性格をもつ第三の事業体です。
公共性の高い事業とは、たとえば自治体と民間企業が互いに資金を出し合い、共同で経営するといったケースが該当します。
鉄道・道路・空港、街づくり・土地・ビル開発、観光業・レジャー産業など、さまざまな業界に第三セクターは存在しています。
資金面だけでなく、事業のアイデアや運営ノウハウなど民間の能力を活用し、効率的に経営を進め成功することを目的とした事業であり、コストがかかる事業が多いため採算性を実現できるかが課題になりやすいといえるでしょう。
第三セクターのメリットとして、民間企業の運営ノウハウを取り入れることができることや、行政が運営するよりも効率的な運営ができることが挙げられます。
他にもより質の高いサービス提供が可能になることもメリットといえるでしょう。
反対に第三セクターのデメリットとして、補助金に対する依存や責任の所在が曖昧になりがちな点が挙げられます。
さらに天下り先になるといったこともデメリットとして挙げられるでしょう。
収益性向上を一番の目的としていないのが第三セクターの特徴ですが、赤字になれば自治体が負担する制度になっているなど、税金の無駄遣いを最小限に抑えるための効率的な経営と事業の安定化が求められます。
その上でサービスの質を向上することを追求していかなければなりません。
第三セクターも事業を行う会社であるため、たとえば地方の鉄道や土地開発などの業種では、一般企業と同じく地元に役立ちたい意欲の高い人材が求められます。
鉄道の運行や開発計画の立案、施設管理など現場業務につく職種の場合、運転士や建築士など専門的な資格があればより有利になるでしょう。
主に鉄道・道路・空港などのインフラや街づくりに観光・レジャー産業などが第三セクターとして有名ですが、今後はさらにさまざまな業界へと広がる可能性もあります。