建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設工事における生産物と何を示す言葉?

2020.04.04
分類:その他

請負契約による建設工事における建設業者の「生産物」とは、元請けと直接請負う建築物・土木施設の建設工事・下請けとして工事目的物の一部を構成するための専門的工事を指します。

建築物や土木施設などの「建設物」とはそのものに着目した分類であるため、デベロッパーが土地を取得し、企画・設計や施工・販売までを一貫して行う販売用建設物を含みますし、建設業者や他の産業における事業者自らが使用するために自己建設した建設物も含みます。

これらを踏まえた上で、建設工事が実施される組織をあらわす「建設生産システム」とはどのような考え方なのか、その内容を把握しておくようにしましょう。

建設生産システムとは

建設工事が実施される人的・物的組織の全体のことを「建設生産システム」ということがあります。

この建設生産システムとは、建設生産物のエンドユーザーに対しての発注者・設計者・施工者などそれぞれの主体の建設生産物提供までのプロセスや相互の関係性の総体ともいえます。

建設工事の設計や施工を通じては多数の構成要素が関連づけられることになるため、それらの要素を組み合わせたりすり合わせたりという工程を経て完成まで至ることができます。

その流れから「システム」として捉えているといえるでしょう。

 

多様性を持つ構成であることが特徴

建設構造物を企画する段階から、使用・管理・維持までの一連の流れには、基本的な計画だけでなく、資金計画に実施計画、設計や施工、施工管理・運営・維持、財務管理などの業務が含まれます。これらすべてを含めて建設生産システムとした場合、生産工程それぞれについて誰が担当することになるのか考えれば、多様な組み合わせを検討することができます。

外部組織は一切使わないオーナー直営という形も可能ですし、ニーズの確認や制度・仕組みをオーナーが用意して、その他企画や計画・設計・施工・運営・維持などは外部にゆだねるという提案型事業権方式(PPP方式)も可能です。

これは国などがオーナーの例なので、民営なら発注者・オーナーの関与はないでしょう。

建設精算システムは、このように多様性を持つ構成となっていますが、公共調達に限ってみたときには、設計は建築設計事務所などの外部組織を活用し、施工は総合建設業者に一括発注するといったことが多かったといえます。

今では様々な方式が行われるようになったためこの限りではありませんが、おおよそ変わっていない状況ともいえるでしょう。