民法では、動産とは不動産以外の物と記されています。不動産は同じく民法では土地および定着物であるとされていることから、動産は土地や定着物ではないものであることがわかります。
ただ、家に備え付けられているエアコンなど、不動産に付属させている動産は従物に含まれます。
このように、建設工事においてその対象となる建物や付属されているものの呼び方はいろいろです。混同しやすい部分でもあるため、それぞれの意味をあらためて理解しておくようにしましょう。
先にも述べたとおり、不動産とは土地およびその定着物のことですが、定着物は土地の上に定着したもので、建物や樹木、移動させることのできない庭石などが該当します。
土砂は土地の上にありますが、土地そのものなので定着物には含まれません。
土地から分離することができないモノであり、原則、土地の所有権に吸収されることになると認識しておきましょう。
ただし、土地の所有権に吸収されない例外扱いの定着物には次のものが挙げられます。
建物は土地から独立している定着物なので、取引も別途行うことになります。ただし建築中の建物については、独立した定着物として扱われません。
立木法で登記された樹木の集団などの立木は、建物と同じく土地から独立した定着物とされます。
また、果実や桑葉、登記されていない立木なども定着物ですが、土地から分離して取引を行うことが可能となります。
たとえば不動産を担保として金銭を借り入れる場合など、抵当権が設定されることになります。この抵当権の効力は、不動産に付加し一体を成したるものに及ぶとされていますが、これを付加一体物といいます。
たとえば土地や建物に附合した動産である附合物、土地や建物の従物がその例として挙げられます。
分離できない動産は附合物となりますので、土地から取り外すことができない庭石などは土地の附合物といえます。なお、附合物は構成部分と呼ばれることもあります。
主物に附属したものは従物と呼ばれています。建物であれば畳や建具が従物となり、土地なら石灯籠や取り外すことができる庭石などが従物として扱われます。
このように、建設工事に関係する土地や建物に備えられているものの呼び名などはいろいろあり、混同してしまいがちですがそれぞれの意味を理解しておくことが大切です。