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風力発電機の建設工事はどのように行われる?

2020.05.02
分類:その他

風の力でエネルギーを生む風力発電は、近年、環境負荷の少ない発電方法として注目を集めています。

風力発電にかかわる工事などを行う機会もあるかもしれませんので、そもそもどのような仕組みで発電されているのかなど知っておきましょう。

風力発電とは?

風力発電は再生可能エネルギーの1つであり、環境負荷の少ない発電方法として知られています。

ヨーロッパなどさまざまな国が導入数を増やし、日本でも風力発電機の設置数を増やすなど、太陽光に続く再生可能エネルギーとして認識されてきました。

高速道路を走っていると、山の上に大きなブレードを備えた風車がいくつも設置されているのを目にすることもありますが、あれが風力発電機です。

風力発電機の最大のメリットは二酸化炭素などの有害物質を排出しないことであり、環境負荷が少ないことです。

そして発生する風を用いて発電させる方法なので、永久的に利用できることも注目されている理由といえます。

 

風力発電でエネルギーを発生させる仕組み

風力発電は、風力発電機という大きな風車を風の力で回転させ、回転による動力を使って発電させる仕組みです。

ブレードと呼ばれている羽部分が風の力で回転し、回転の動力が発電機で電気に変わります。さらに変圧器で昇圧され、送電線や配電線を通り電気を必要とする場所に送り届けられる仕組みです。

ブレードの回転速度を速める増速機や、台風で危険な回転が発生しないようにするブレーキ装置なども風力発電機には内蔵されています。

 

風力発電を建設するのに適した場所とは?

風力発電を設置するのに適している場所は、1年を通して風が吹く場所です。

風力エネルギーは風速の3乗に比例するので、風が強いほど風車はたくさん発電させることができます。

風車を立地する場所は風況の良いところが望ましく、さらに風力発電機の陸揚げや運搬などができる場所でなければなりません。

それに加え、送電線と接続できることも要件となります。風力発電による電気は送電線を通り送られますので、風の吹き方により発電量が変動することを考えると、安定した電力供給には電力系統と連系させることが必要です。

最後に、希少動植物の生態系などに影響を与えないことも必須条件となるでしょう。

 

風力発電機の建設から完成までの流れ

風力発電機の建設から完成までの流れは主に次の通りです。

①荷下ろし

船で運んできたブレード、ナセル、ローター、タワーなどを港に慎重に下ろします。

②基礎工事で土台づくり

鉄筋を地下深くまで張り巡らし、コンクリートで頑強に固め基礎を作ります。

③風車を運搬

ブレードなど長さがあるものは分割できないので、一般車両や道路に負担をかけることのないよう夜間に港から建設地まで輸送します。

④タワーの据え付けとナセルの取り付け

基礎とタワーをボルトでしっかりと固定し、3分割されているタワーを巨大クレーンで吊り上げ接続していきます。その上に吊り上げたナセルを取り付けます。

⑤ローターの取り付け

ブレードを取り付けたローターを吊り上げ、慎重にナセルに取り付けてボルトでしっかと固定して完成です。