九州電力では大分市竹田市に新竹田発電所の新設工事を開始します。既設の竹田発電所の再開発によって、最大出力は7,000kWから8,300kWへ増加となるようです。
竹田発電所は水力発電所であり、運転開始から64年が経過しており、施設の老朽化が進んでいます。
そこで九州電力では竹田発電所を2019年10月28日に廃止し、新竹田発電所を新設する計画を以前から策定していました。
さらに導水路や水車・発電機が設置されるほか、大野川に設けているダムの改造工事も実施するとしています。
新竹田発電所の新設工事に向けた準備が整い、いよいよ2019年10月29日から工事が開始されます。
経年により老朽化した水車や発電機、導水路などの対策と、未利用水の有効活用を目的とした再開発工事です。
最大使用水量の増量と発電機の効率向上で、最大出力と発電電力量を増加させることが可能となるとしています。
新竹田発電所は2022年3月に運転開始の予定ですが、そもそも水力発電とはどのような仕組みなのでしょう。
水力発電は、資源の少ない日本では環境性・安定性を兼ね備えている純国産エネルギーといえます。水という再生可能エネルギーを有効活用する最もクリーンな発電手法であり、温室効果ガスや大気汚染の原因になる酸化物も排出させません。
さらに水流や水量を変化させ、発電量の調整が容易である点もメリットです。
水の勢いで水車を回し発電させる方法ですが、昔から水車を使い蕎麦を挽くといった水の力を活かす考えはありました。
それを応用し、高低差と水の位置エネルギーを利用することで、高い場所から低い場所に水を落とす際の運動エネルギーを使います。その運動エネルギーで水車・タービンを回して、直結されている発電機で発電させる仕組みが用いられています。
水力発電所は、日本の電力の10%弱をまかなっており、日本全国には2,000か所といわれる水力発電所があります。
1951年(昭和26年)に9電力会社体制が発足となり、戦後の電力不足・高度経済成長による電力需要急増に対応するため、火力発電所の開発が加速する中で水力発電も日本の電力供給の主力を担った存在です。
火主水従の時代を迎え、水力発電は電力の需給バランスを調整する安定供給の中で重要な役割を担っています。水の力で発電し、発電時にCo2(二酸化炭素)を排出させない環境にもやさしいエネルギーなのです。